国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。



大学受験作文の解説集(技術)




 第一段落は、説明。「技術は、人間の夢を実現してきた。例えば、昔であれば遠方に旅行することは時間もかかるし危険であったが、今では交通機関を利用して快適で安全な旅行ができる」などの状況実例のあとに、「人間に夢を与える技術というものを考えた場合、大事なことは二つある」。
 第二段落は、展開1。「第一は、その技術の安全性である。どんなに夢のある技術でも、危険と隣り合わせでは普及することはできない。例えば、自動車の技術は……」など。
 第三段落は、展開2。「第二は、環境を破壊しない技術である。これまでの技術は、環境問題をあまり考えていなかった。しかし、これからの技術は常にリサイクルを考えるなど環境に負荷を与えないものにする必要がある。例えば……」など。
 (そのほかに、省エネの技術、平和に貢献する技術、オープンな技術など、多様に考えよう)
 第四段落は、まとめ。「人間は、夢を技術によって実現してきた。私もこれから……」など。



 第一段落は、説明。「技術は、人間の生活を豊かにしてきた。例えば、私たちの身の回りを見ても、衣服や食事は昔と比べて……」などの状況実例のあとに、「人間の生活を豊かにする技術というものを考えた場合、大事なことは二つある」。(このように、いつも同じパターンで書いていくようにするとよい)
 第二段落は、展開1。「第一は、副作用のない技術である。現在環境ホルモンが問題になっているが、人間の生活を豊かにするために作られた技術が、逆に……」など。
 第三段落は、展開2。「第二は、自然と調和した技術である。これまでの技術は、自然を征服するという発想で作られたものが多かった。しかし、そのために、かえって人間らしい生活をしにくくなったという面もある。道路などを作るときもその地域の自然を破壊しないような配慮が……」など。
 (そのほか、多様に考えよう)
 第四段落は、まとめ。「人間の生活は技術によって豊かになってきた。しかし、本当の豊かさは、物質的なものだけではなく心の豊かさも兼ね備えたものである。私はこれから……」など。



 構成は、実例、理由、方策、まとめ。
 第一段落は、科学技術の例。例えば、インターネットによる便利さと、その裏腹にあるウィルス拡大やフィッシュング詐欺の問題など。
 第二段落は、その理由。インターネットの場合は、匿名性、敷居の低さなど。
 第三段落は、方策。本人認証技術、暗号化技術など。又は、アナログ的な認証との組み合わせなど。
 第四段落は、まとめ。「技術とは……ではなく、……である」とまとめよう。「科学技術は、自然現象のようにもとからそこにあるものではない。人間が日々改良するところにその生命がある」など。



 耐震強度の偽装事件に関連しての課題とかんがえられる。安全性の話を中心に。

 第一段落は、説明。「建築は、人間の生活に大きな関わりを持っている。それはひとつには、その建築によってそこに住む人の生活の快適さ大きく左右されるからだ。また、もうひとつには、建築の安全性は、人間の生存に大きく関わるものだからだ。」など。
 第二段落は、方法1。「建築学科で学ぶ技術者倫理を考える場合、大事なことは第一に、技術者が、そこに住む人やその建築物を使う人の立場に立って考えることである。私の家の作りで感心するのは、建物の風通しを考慮して部屋の窓が作られていることである。例えば(などと、自分の体験実例を入れるとよい)」など。
 第三段落は、方法2。「技術者倫理として大事なことは、第二に、常に最先端の知識の吸収を怠らないことである。自然災害の中には、これまでの過去の例を超えた想定外の事故が起こる場合がある。また、建築の材料や方法も、日々進歩を遂げているはずだ。例えば、日本の昔からの建築は木造が中心だったが、その後同じ木造でもツーバイフォー工法が開発されたり、材料に集成材が使われるなど、さまざまな変化がある。(など、本を読んで建築に関する知識を入れていくとよい)……」など。
 第四段落は、まとめ。「建築とは、単なる入れ物ではなく、その中で人間が生活し、文化が発展する場である。私は、これから建築学科で……。」など。



 第一段落は、説明。「建築学科で学ぶ範囲は幅広い。また、素材や工法の技術も常に発展している。その中で、私が修得したい分野は大きく分けて二つある。」など。
 第二段落は、分野1。「第一は、新しい家族形態に合わせた建築の工夫だ。これまで住宅建築は、親子2世代の核家族を中心に立案されてきた。しかし、今後、高齢化が進むにつれて、昔の日本の社会のような大家族化が進行するのではないかと思われる。例えば、私の家に、田舎の祖父母が泊まりがけで遊びに来てくれることがよくある。そのようなとき……」など。。
 第三段落は、分野2。「第二は、老人や弱者に優しい建築だ。最近では、駅でもエスカレータやエレベータが設置されるようになった。しかし、一般の住宅ではまだそのような例は少ないため、例えば車椅子の老人は、家の中での移動にも大きな不便を感じている。……」など。
 第四段落は、まとめ。「建築とは、その中で人間が日々生活する場である。建築によって、そこに住む人の生活の利便性が大きく左右されると言ってもよい。私は、これから……」など。



 第一段落は、説明。「日本は、資源も少ないし、土地も狭い。しかし、高度な教育を受けた人材は豊富だ。日本がこれから世界に伍していくためには、科学技術立国の精神を持ち続けることが重要だ。」など。
 第二段落は、方法1。「そのためには第一に、理科系の教育を充実させることが課題だ。理科系の分野は、3Kとみなされることも多く、若い人は、情報産業や金融産業に関心を持つことが多い。しかし、子供のころから理数系の勉強に対する関心を持たせることができれば、将来の仕事に結びつけることもできる。私自身も、小学生のころの理科の実験で、理科の勉強に関心を持ったことがある。だから……」など。
 第三段落は、方法2。「第二には、科学技術の分野に対する予算の増額だ。今、日本は財政難で、科学技術の分野に対しても予算を削る力が働きがちだ。科学技術の分野は、すぐには成果の見えないものも多く、しかも巨額な予算を必要とするものが多い。例えば、惑星探査機はやぶさも、成功していたから予算の増額につながったが、そうでなければ今後のプロジェクトが縮小していたかもしれない。したがって……」など。
 第四段落は、まとめ。「確かに、科学技術はすぐには成果の見えないものが多く、投資の効果が測りにくいものが多い。しかし、日本の将来は……」など。



 第一段落は、説明。「電子・機械工学の技術は、さまざまなところに使われている。その中でも、これから注目されるのは、環境や人のための技術で、私はその一つにロボット工学があると思う。」など。
 第二段落は、展開1。「環境問題の中には、環境汚染のような問題のほかに、原発の事故の問題や、世界の紛争地域での爆発物の除去などの危険な仕事もある。その危険な仕事に役立てることができるのがロボット技術だ。3.11の東日本大震災のときも、原子力発電所の中がどのような状況になっているか、人の手では調べることができなかった。しかし、……」など。
 第三段落は、展開2。「また、人の問題としてこれから大きな課題となるのが、高齢者の介護をどうするかということだ。ここにも、ロボット工学の技術が使える。先日新聞で見た記事によると、足腰の弱い人が立ち上がるとき足の力の助けとなるロボットや、重いものを持ち上げるときその力をましてくれるスーツなどが開発されているということだ。だから……」など。
 第四段落は、まとめ。「これからの技術は、機械的な動きを電子技術で微妙に制御することが必要になってくる。それは、技術がますます人間の生活に密着したものになってくるからだ。私は、これから……」など。

 自分の得意な分野の知識を本で読んで身につけておこう。
 文章の材料にはできるだけ客観的な固有名詞や数字のデータも入れられるようにしておこう。



A.略
 200字は4文程度でまとめる。イノベーションも模倣も、当事者と社会にに利益をもたらすが、イノベーションは古い技術に依拠する生産者に、模倣は既存の生産者に不利益をもたらす。

B.
 第一段落は、説明。「技術進歩には、『積み上げ型』と『ジャンプアップ型』がある。積み上げ型の例は、スマートフォンの改良などに見られる。ジャンプアップ型の例は、ガソリンエンジンから水素燃料電池に移行した自動車などである。……」など。
 第二段落は、展開1。「積上げ型は、その技術革新によって廃業を余儀なくされる既存の生産者が少ないことに特徴がある。既存の生産者の多くは、改良に対応して自らも生産の仕組みを改良することができる。その結果、改良による利益は、消費者だけでなく生産者も得ることができる。……」など。
 第三段落は、展開2。「ジャンプアップ型は、その技術革新によって、既存の生産者が駆逐される可能性が高い。水素燃料電池自動車の例では、今後ガソリンエネルギーを前提とした生産システムが廃棄されることも考えられる。それは、ネット書店の登場によって地域の書店の存続が困難になっていることと同じである。しかし、ジャンプアップ型は、消費者に新しい利益を提供すると同時に、社会に新しい仕事も創りだす。……」など。
 第四段落は、まとめ。「技術進歩は、長い目で見れば社会に大きな利益をもたらす。しかし、短期的に見れば、その進歩によって廃業するなど不利益を被る人も出てくる。ところが、その不利益を保障する仕組みがあまりにも強いと、技術進歩に対する動機は減少する。大事なことは、ある程度の短期的な不利益を前提にして、技術進歩を進めるという社会の合意を形成することだ。……」など。


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