ベニバナ2 の山 3 月 2 週
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○自由な題名
○春を見つけた、種まき

○The little word 'why' 英文のみのページ(翻訳用)
The little word 'why' has been a very strong thing with me ever since I was a little girl and couldn't even speak very well. It is a well-known fact that little children ask questions about everything because they don't know much about everything. This was very much the case with me, but even when I grew older I couldn't wait to ask all kinds of questions, whether they could be answered or not. This is not so terrible in itself and I must say that my parents tried to answer every one of my questions very patiently, until.... I began even badgering strangers, and they generally don't like 'children's endless questions'. I must admit that this can make them feel angry, but I console myself with the idea that there is a saying that 'you must ask in order to know', which couldn't be completely true, otherwise I'd be a professor by now.
When I grew older, I realized that it is not possible to ask every kind of question to everyone and that there are many 'why's' that cannot be answered. I then understood from that that I tried to help myself by starting to think out these questions on my own. So I came to the important discovery that questions which one mustn't ask can be solved by oneself. Therefore, the little word 'why' taught me not only to ask but to think.

★(感)伝統について
伝統について

 【1】君は伝統ということばをきかされたことがあるだろう。とくにスポーツの部員になっている人は、
「わが○×中学の野球部の伝統をけがしてはいけない」
 などと先輩からいわれただろう。
 【2】以前から代々うけついできた生活の様式とか、芸術の手法とか、ものの考え方とかを伝統というのだが、先輩がハッパをかけるときにいう伝統は、まえの人がやってきた、名誉になることを意味していた。
 【3】いいことばかりを、その気になってうけついできたものが、目のまえにあるような感じで、先輩はハッパをかける。
 私も中学のとき、テニス部の部員として先輩から、また野球の応援団として応援団長から、伝統ということばを、そういう意味でなんどもきかされた。
 【4】だが年をとって、家のなかにひっこんで、つきあいらしいつきあいもなしに暮らしていると、伝統ということばの感じがちがってきた。
 【5】伝統をなにかいいもの、その気になってうけつがないといけないもののようにいうのは特別な集団に他人をしばりつけようとする有力者の手だてなのだ。
 野球部の先輩は、自分がコーチをしている野球部から選手がにげださないように、伝統をもちだしてくるのだ。
 【6】うっかりさそわれてスポーツの部員になったが、やってみると、からだはつかれる、好きな本はよめない、いつも監視される、これではたまらない、もっと自由に生きたいと思う人だってある。【7】そういう人が、自分が野球部にはいっていることにはたして意味があるだろうかと疑うことは、わるいことではない。
 【8】それにたいして伝統をもちだす先輩は、野球部の伝統は、いいもの、名誉あるもので、自分個人をかんがえることは、わるいもの、不名誉なものという調子でたたみかける。
 先輩が伝統をふりまわすのは、彼のほうが有力者だからだ。
 集団にはたいてい有力者がいて、そういうことをする。∵
 【9】集団からはなれて、自由に暮らしていると有力者にであわない。もう伝統をまもれとは、いわれない。そうなると伝統は、いいものばかりでないことがわかってくる。すすんでまもるべきものどころか、いやでもしばられる、へんなものだっておおい。【0】

『人生ってなんだろ』(松田道雄)より