ツゲ の山 12 月 2 週
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○自由な題名
○うれしかったことや悲しかったこと
★わたしのしているスポーツ、私の友達

○沖縄の730(感)
 【1】日本と同じ車の左側通行をしている国は、イギリスをはじめ、世界の約三分の一あります。残りの三分の二の国は、ヨーロッパやアメリカのように右側通行をしています。
 【2】第二次世界大戦の末期、沖縄を占領したアメリカは、沖縄での車の通行を、それまでの左側通行から右側通行に変えました。その後、沖縄は日本に返還されましたが、返還されたあとも、沖縄ではアメリカ式の右側通行が続いていました。
 【3】しかし、返還から六年後の七月三〇日、右側通行を左側通行に戻すための大変革が行われました。
 切り替えは、前の日の夜から、すべての車をストップさせて行われました。【4】すべての車がストップしていたのはわずか八時間の間でしたが、この間に、すべての道路標識や表示が切り替えられました。交通整理などのために、本土からも多くの警察官が手伝いにかけつけました。
 【5】しかしここで、一つの問題がありました。普通の車は、ハンドルが右でも左でも、道路のどちらの側でも走ることができますが、困るのは乗り合いバスです。【6】なぜかというと、バスは、歩道の側に乗客が乗り降りするドアがついているので、新しい通行規則に従うと、このドアを車両の反対側につけなければならなくなるのです。
 【7】そこで、沖縄県内にあったほぼ一〇〇〇台ものバスが、ほとんど新しくされることになりました。このために、日本国内のメーカーは総出で、たくさんのバスを製造したのです。【8】この時に製造されたバスは、「730車」と呼ばれています。この「730車」は非常に頑丈に作られていたため、数は少なくなりましたが、今でも走っているものがあるそうです。
 【9】こうして多くの人々の努力のかいあって、沖縄ではたった一晩で右側通行から左側通行への変更が無事に行われたのでした。【0】
 言葉の森長文作成委員会 τ