カキ の山 6 月 4 週
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○自由な題名
○わたしの長所
★清書(せいしょ)

○好きな仕事(感)
【長文が二つある場合、読解問題用の長文は一番目の長文です。】
 アメリカ大陸では、ヨーロッパの人が移住する前から、独自の文明が発達していました。マヤ文明は、今から二千年以上も前に、中央アメリカのユカタン半島を中心におこり、長い間栄えた、たいへん高度な文明です。古代マヤ人は、ジャングルの中にピラミッドを建て、マヤ文字をきざんだ石碑を建て、いくつもの王国を作りました。しかし、この文明は突然滅んでしまったのです。マヤ文明の滅亡は、人類の歴史の中でも、大きな謎の一つです。
 誰も読むことができなくなっていたマヤ文字は、「ユカタン事物記」という本の発見をきっかけに、解読が進みました。この本は、マヤ人にキリスト教を広めたランダ神父が十六世紀に書いたもので、マヤ文字を写しとり、説明文が書き加えられていました。マヤ文字は、ひらがなやアルファベットとはかなり異なったものでした。人や動物の顔、記号が組み合わされたもので、どちらかと言うと漢字に近い文字だと考えられます。
 「ユカタン事物記」には、マヤの複雑な暦についても、くわしい説明がありました。この本のおかげで、マヤ人がどれほど精密な暦を持っていたかが、明らかになりました。彼らは、天文学にとてもよく通じていました。金星の公転を正確に計算したり、日食を予測することもできたのです。さらに、後世の研究者たちを驚かせたことがありました。それは、マヤの数学です。彼らは、ゼロを発明していたことがわかっています。ギリシャやローマのように高度な文明をのこした民族でも、ゼロという概念は持っていなかったことを考えると、驚くべきことです。ただ、ゼロという概念がないと、テストで零点を取って叱られることがないのは、よいかもしれません。
 マヤ人の生活を知る上で、重要なのは宗教です。彼らのあらゆる行動は、宗教ぬきには語ることができません。その儀式の中に∵は、今の私たちから見ると、残酷でばかげているように見えるものもあります。たとえば、いけにえの儀式です。当時のマヤ人にとって、いけにえは、神様に願いごとをするために、なくてはならないものでした。たいていの場合、いけにえにされる人も、合意の上だったようです。「ユカタン事物記」を書いたランダ神父は、この儀式をやめさせるため、裁判を行い、神の像をこわし、二度とくり返さないことを人々にちかわせたといいます。
 マヤ文明は、なぜ突然ほろんだのでしょう。それには、いくつかの説があります。土地がやせて、農業が続けられなくなり、豊かな土地を見つけるために遠くへ離れる必要があったという説や、民衆が、王様や貴族などの階級に不満を持ち、暴動を起したという説もあります。また、大規模な飢饉や伝染病によって、おとろえていったという考えもありますが、いずれにしてもはっきりしたことはわかっていません。
 のちに、この地域はスペイン人によって征服されましたが、スペイン人がマヤ人の領域にやってきたとき、マヤ人たちは、自分たちの過去のことについて、何も思い出すことができなかったそうです。征服されたあと、マヤ人たちは、もうピラミッドや石碑を建てることはなくなりましたが、マヤ文化は今でも生き残っています。マヤの子孫の中には、今も古代マヤ人が話していたマヤ語を話す人々がいます。また、衣装に使われる模様には、石碑に彫られた模様とよく似ているものもあります。
 耳をすますと、古代マヤ人たちの声が聞こえてくるようです。
「昔はユカッタンだけど、などと言っていないで、マヤ文明を見直すのは、いマヤ。」

 言葉の森長文(ちょうぶん)作成委員会(κ)∵
 【1】好きなことを仕事にしている人は幸せだといわれています。しかし、「好き」ということばは少しあいまいです。【2】「嫌いではない」から始まって「これがないと生きていけない」にいたるまで、幅広い範囲の言葉だからです。
 【3】「好きなことを見つけて、仕事にする」というのは理想的なことのように見えますが、人生を支えてくれるほどの「好きなこと」はそう簡単には見つかりません。【4】「好きなこと」というのはレストランのメニューのようにたくさん並んでいる中から選ぶのとは違うのです。
 【5】「好きなこと」は見つけるというより、「出合う」ものなのかもしれません。「自分には好きなことがない」という人でも、がっかりすることはありません。【6】好きなことがこの世の中にないのではなく、まだそれに出合ってないだけだからです。
 【7】現在の社会では多くの職業があります。十年前にはなかった新しい仕事も生まれています。例えば、インターネットのウェブデザイナーという仕事は、昔は存在しませんでした。
 【8】自分の好きなことを探しながら生きていると、やがて、その好きなことが仕事に結びついて目の前に現れてくるでしょう。【9】いい「出合い」をするためには、好奇心(しん)のアンテナをいつも張りめぐらせておくことが大切です。【0】

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