イバラ の山 8 月 2 週
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★じゆうなだいめい
○なにかをつくったこと
○おまつり
○買い物(かいもの)に行ったこと
○いちばん古い漫画
 日本は世界一の漫画王国とよばれています。大人向けのものまでふくめると、一年間に七億冊以上の漫画が出版されています。漫画をもとにして、アニメーションや映画やテレビ番組もたくさん作られ、いろいろな国の言葉に翻訳されて、世界中の人気を集めています。
 では、漫画は、いつの時代からあったのでしょうか。いちばん古い漫画は、今から八百年(はっぴゃくねん)ほど前にかかれたと言われています。それは、京都の高山寺というお寺にある、「鳥獣人物戯画」という絵です。
 その中には、人真似をして遊ぶ動物たちがかかれています。始まりは、動物たちの川遊び。川に飛びこむウサギや、泳ぐサル。ウサギに背中を流してもらって、気持ちよさそうなサルもいます。別の絵には弓矢の練習をしたり、相撲をとって遊んだりするカエルやウサギの様子がかかれています。カエルに投げ飛ばされて、ひっくりかえったウサギのそばで、見物のカエルたちが大わらいしている絵もあります。カエルの仏様にお経(きょう)をあげているサルのお坊さんの絵もあります。どの動物も生き生きと描かれ、今にも絵の中から飛び出してきそうです。
 この昔の漫画には、セリフがかかれておらず、ストーリーもはっきりしません。しかし絵の中には、今の漫画に似たところもあります。たとえば今の漫画では、すばやい動きをあらわすために線を何本(なんぼん)もひき、スピードの出ている様子をあらわします。鳥獣人物戯画の中にも、同じようなかき方が見られるのです。
 こんな昔から、漫画を楽しんでいた日本人。これからも、たくさんの名作が生まれ、多くの人に愛されていくことでしょう。∵
 漫画は、世界中に自マンガできる、日本の宝です。しかし、漫画は絵がわかりやすいので、字の多い本は読マンガ、漫画なら読むという生活を続けていると、次第に読む力が低下してきます。字の多い本を読む一方で、漫画も楽しく読み、漫画の読み方についても自マンガできる国にしていきましょう。

 言葉の森長文(ちょうぶん)作成委員会(γ)