00ウツギ の山 12 月 4 週
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★自由(じゆう)な題名(だいめい)

○清書(せいしょ)

暑かった夏も
 暑かった夏も終わりに近づき、涼しい風が吹き始めるころ、夜になると虫たちの声が聞こえてきます。そんな虫たちの鳴き声は、秋の到来を知らせてくれます。
 生まれつき日本語を使っている人は、自然の音を左脳で聞きます。左脳は言葉を理解する脳ですから、虫の音も声のように聴こえます。これに対して、英語など欧米の言葉を使っている人は、自然の音を右脳で聞きます。右脳は音楽を感じる脳ですから、虫の音は雑音にしか聴こえないそうです。
 コオロギ、キリギリス、スズムシ、マツムシ、ウマオイ、カンタン、クツワムシなど、秋に鳴く虫にはいろいろな種類がいますが、大きく分けるとコオロギ類とキリギリス類に分けられます。上から見て、右羽(みぎばね)を上にして鳴くのがコオロギ類、左羽(ひだりばね)を上にして鳴くのがキリギリス類です。「右」という漢字の左半分を消すとコオロギの「コ」という字に、「左」という字の左半分を消して、たての棒を少し伸ばすとキリギリスの「キ」という字になります。これが覚え方です。
 コオロギ類には、コオロギ科やカネタタキ科の虫がいます。キリギリス類には、クサキリ、クツワムシ、ウマオイなど、たくさんの虫がいます。どちらの種類も、鳴き羽(ばね)を持っているのはオスだけです。なぜなら、虫が鳴くのはメスを呼ぶためだからです。また、自分の縄張りを他のオスに知らせるために鳴くこともあります。
 コオロギは、「コロコロ」と鳴いたり、「リーンリーン」と鳴いたりします。スズムシは、その名のとおり鈴のように、「リンリン」と鳴きます。「ガチャガチャ」とうるさく鳴くのはクツワムシ。まるでスイッチがオンになったように「スイッチョン」と鳴き始めるのはウマオイ。「リーリーリーリー」と簡単な鳴き方をするのはカンタンです。いろいろな音色を楽しむことができる秋の夜(よ)の草原(くさはら)は、まさに地球のコンサート会場です。
 言葉の森長文(ちょうぶん)作成委員会(Λ)