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 果物くだものをおさらにのせたまま長いあいだ(ほうっておいたり、死んし 動物どうぶつをそのままにしておくと、くさったにおいがしてくることは、知っていますね。パストゥールは、このにおいの原因げんいんが、微生物びせいぶつあるいは細菌さいきん(ギリシア語でmicros「小さい」という意味いみ)とよばれる、小さな生き物い もののしわざであることをつきとめています。
 この生物せいぶつは、独特どくとく性質せいしつをもっており、酸素さんそがあると死んし でしまうか「眠れるねむ  森の美女びじょ」のように眠っねむ たままでいます。ところが、いったん酸素さんそがなくなるときゅうに元気づいて、どんどんふえはじめます。
 パストゥールは、新しい生物せいぶつ発見はっけんしたのです。それは、酸素さんそ必要ひつようとしない生物せいぶつでした。
 有機ゆうき体(生物せいぶつ)は、みな何百万もの微生物びせいぶつをすまわせています。有機ゆうき体が生きているあいだは、その細胞さいぼうは空気を必要ひつようとしているので、これにたえられない微生物びせいぶつは、眠っねむ 状態じょうたいになっています。生物せいぶつ死ぬし と、空気が細胞さいぼうにはこばれてこなくなります。
 こうして酸素さんそという脅威きょういからときはなされた微生物びせいぶつは、まるで王子のキスで目ざめた「眠れるねむ  森の美女びじょ」のように、目をさましはじめます。成長せいちょうしていくにつれて、酵母こうぼがグレープジュースをワインにかえてアルコールのにおいをさせるように、この微生物びせいぶつはまわりの組織そしきを少しずつこわして、悪臭あくしゅうをはなちます。
 
 「細菌さいきん戦うたたか パストゥール」(ブラーノ=ラトゥール)偕成社かいせいしゃ
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