ひとこと(8月2週)
一人の十歩と十人の一歩
アジサイの広場
T.Oいう高2
 日本の社会は今まで何に対しても「平等」を基本にし、ある特定の人だけ極
端に大もうけしているということはあまりなかった。しかし、最近になって考
え方が変わり、アメリカなどの海外の先進国のような実力主義の考え方になり
、高齢でのリストラが増加し再就職できない人が急増している。全体で助け合
い、豊かになろうと努力してきた日本が急に業績を上げたものだけ儲けるよう
システムを変えたことは問題であり、現在のような大不況を生み出した原因で
もあると思う。
 
  日本が平等主義から実力主義に切り替えた理由として、一つはやはりこれ
からの国際化に対応するためであると思う。実力主義の先駆けといえばアメリ
カだが、アメリカでは若くして億万長者になったビル・ゲイツ氏のように経営
者として実力のある人は巨万の富を得ることができる。この考え方が急速に広
まり、さまざまな国で主流となっている。そういった国から実力者が次々とあ
らわれるのだから、日本も取り残されないために世界に通用するような人材を
養成することが必要だと感じたから実力主義に切り替えたのではないだろうか
 
  また、全員平等ということを不満に思っていた人物がいたこともあると思
う。「アリとキリギリス」に登場するアリたちのように一年中必死に働いても
、もらえる給料は大体一緒というのは当たり前のことではあるが、何をしても
同じではやる気がしなくなるという声もある。そう考える人もいるが、やはり
全員で利益を分け合ってきたからこそ現在のような日本があるのではないか。
 
  たしかに、アメリカのように自由競争ができる世の中だと、個人の意識が
高まり活気にあふれる社会を形成することができる。けれども、「過ぎたるは
及ばざるがごとし」というように、競争が激しすぎるとそれに敗れた人達が暴
動などを起こしたりして、気づいたら高層ビルが荒れ地になっていたなどとい
うことがある。億万長者と貧困者ばかりの世の中ではなく、全員が共に一歩ず
つ歩んで行けるような世の中が一番良いと思う。