ひとこと(8月2週)
一人の十歩と十人の一歩
アジサイの広場
正之おき高3
一人の十歩と十人の一歩
 
 小原 正之
 
  日本は、自由競争によって実力のあるものが這い上がっていくというアメ
リカとは違い、それぞれが平等に成長していく社会である。アメリカのように
競争社会の中で育てるとお互いが意識しあうようになり、実力をつけていくも
のが増えていくがこれについていけずに脱落していく人も少なくないであろう
。こうなると、裕福な人と貧しい人とのギャップが激しくなり、実際に、アメ
リカでは貧しい人による強盗などの犯罪が増え、とても犯罪の多い危険な国で
あることで有名である。
 
  すると、経済的には良い方向に進んでも、社会全体として見れば、これに
よって様々な悪影響が出てくるのである。
 
  だから、そうならないためにもすべてを独りでやろうとするような主観的
な見方ではなく、社会全体が捕らえる事ができるように、客観的に見る事が必
要なのである。例えば、近頃は大学で勉強するにしても専門的な事だけではや
っていけない事がとてもたくさんあり、幅広い分野の事を知っている人材を求
めるような大学が非常に増えていて、いわゆる専門バカというものをなくすた
めの教育改革が行われつつあるのである。
 
  そして、行動をする時に単独でせずに集団でする事で、他の人の援助をか
りることができて自分の欠点などを補う事ができるようになると思う。例えば
、桃太郎の話でも、足の速い犬や空を飛べるキジ、木に登れる猿がいたが、こ
うしてそれぞれ異なる優れた技能を持っている事によってグループ全体ではす
ばらしいものになるのである。
 
  確かに、一人だけが大変な実力を持っている事も、それだけで戦力になる
ものである。しかし、「三人入れば文殊の知恵」というように、大勢入ればい
い考えも思いつくし、協力する事によって主種多様な事が可能になるものであ
る。だから、なるべくなら一人より二人でたくさんの人が集まってする事が今
の社会をまとめ安定させるために不可欠な事であると思う。