ひとこと(8月2週)
一人の十歩と十人の一歩
アジサイの広場
加奈子せて高2
 現在の日本社会は、市民は皆平等という平等社会であるためなかなか一人で
とびぬけた成績をとり、億万長者になる事は難しい。いわゆる、「十人の一歩
」が大切にされている社会だ。それに比べてアメリカは、ビル・ゲイツのよう
に一人だけで成功し、億万長者になっているという現状である。ここでは、自
由競争という自分が事業で成功するには自分の実力が必要だという「一人の十
歩」が大切にされている社会であり、それと同時に、少数の億万長者と多数の
貧困者が同じ社会の中で、共存するという多くの矛盾を生み出してしまってい
る。
 
  戦後の日本は、この「十人の一歩」が活躍したためか、日本の景気はとて
も好く、日本経済は、著しいくらいに発展した。しかし、今の状況を見て分か
るように、異常な不景気によって、多くの会社でリストラが行われている。な
ぜなら、日本の平等社会が生み出した戦後の活力は年が増えるに連れて給料が
増えるという年功序列のため多くの日本人がやる気をなくしているからだ。そ
のため、戦後大活躍した「十人の一歩」は、だんだんと衰退してきている。
 
  一方、日本と違って、アメリカは、普段でも良くあるが地震などの経済反
乱が起こればすぐにでも、どさくさに紛れて、一般市民が平気で強盗や略奪を
してしまうような「一人の十歩」に不安を持っている人々が多い危険な国だ。
その点日本は、とても安全な国だ。
 
  私達の学校では、5月の後半に体育祭があった。体育祭では、競技とは別
に学年ごとで競う「仮装」というのがある。その中で、私たちは学年みんなの
協力で、最優秀賞を勝ち取る事ができた。その時の感動は今でも覚えている。
これによって、協力の大切さを改めて実感する事ができた。
 
  昔話に、「桃太郎」がある。桃太郎は一人だけの力では、決して鬼を倒す
事はできなかっただろう。犬、キジ、猿の協力があってこそだ。
 
  確かに、「一人の十歩」によって社会を支えていく事も大切だ。「ローマ
は一日にして成らず」ということわざがあるように自分独りの力ではどうにも
ならなく、長い年月とたくさんの人によってやっと完成する、という事を頭に
入れておいて、協力して物事を達成するという達成感も生きていくうちで大切
なものである。