ひとこと(7月3週)
弱点を長所に
アジサイの広場
吉見こと大2
私たち日本人の特徴は大抵のことは何でもできることだ。小学生から高校生の
間で、浅くではあるがほとんどの学問を学び、それなりの教養もある。つまり
、いいかえれば日本人の特徴は、どれも平均的ということである。このように
大抵のことは何でもできる、という体質は戦後の日本の復興から高度経済成長
期にかけては非常に役には立ったが今日のような世界のボーダレス化が進み専
門性が問われる時代では平均的な能力では歯が立たない状態である。私たちは
専門性を高めるにはどうすれば良いか。
 
□私は経済系の大学に入ったので簿記を勉強することとなった。私はこの簿記
が少々、苦手で、いつも四苦八苦していたが、簿記の得意な友人がいたので、
なんとか無事に単位は取得できた。その友人は何でも商業高校にいたので簿記
は必須科目だよ、といっていた。私だけではないと思うが商業高校というと、
普通の公立、私立の高校と比べたらレベルが低いという社会的観念があると思
う。が、実際は専門性(友人の場合は簿記)を養う実践的な学校である。これ
からは公立も私立も高校だけに限らず小学校、中学校も含めて社会に役立つ実
践的な学問制度を導入する必要がある。
 
□日本の昔話に一寸法師というのがある。とても体の小さい一寸法師が、その
小さい体を逆に利用して鬼をやっつけ、お姫様と結婚してしまうという、すご
い話である。小さい体は普通に考えたら弱点である。しかし一寸法師は、その
弱点を自分の長所と考え、その長所を最大限にいかした。私たち日本人は平均
的で長所もなければ短所もない。これからは一寸法師のような短所も長所に変
えていくような心構えが必要だ。
 
□日本では、出る杭は打たれる、ということわざがある。今日のような日本の
社会では下手に専門性を伸ばすことはかえって嫌われてしまうかもしれない。
しかし世界の歴史の中で名を残す人物は大抵、何らかの専門性をもった人たち
だ。何か光る長所があれば、短所があっても良いと思う。山椒は小粒でもピリ
リと辛い、という言葉がある。そんな山椒のような生き方をしてみたい。