ひとこと(7月2週)
得意を伸ばすか苦手を直すか
アジサイの広場
正之おき高3
得意を伸ばすか苦手を直すか
 
 小原 正之
 
  今日、日本ではある特定の学問だけが優れていることよりも、苦手なもの
がなく全体的に安定していることを重要視している傾向にある。これは、医療
において、診察して悪い部分を予測して治療するということがこれにあたるで
あろう。また、その安定性を目指す日本の教育は、アメリカのノーベル賞受賞
者の数が、日本よりもはるかに多いということに反映されていて、ここで、日
本とアメリカにおける教育の違いが明らかになるであろう。
 
  そうすると、たった一つの科目だけが大変優れていても、その実力が発揮
されないまま成長していくことになってしまうのである。
 
  だから、そうしないためにも、アメリカで行われているような飛び級制度
を、昨年度千葉大学が行ったように、さらに日本でも採用していくべきである
と思う。例えば、アインシュタインは物理学だけが大変優れていて、他の科目
はいまいち優れなかったようである。このように、何か一つだけずば抜けて得
意なものがあって、偉大な科学者になるということもあるので、人の唯一優れ
た才能を大切にしていくべきであると思う。
 
  また、子供が成長する過程において、教育者である親や学校の先生が人そ
れぞれの才能を大切にして、その子に見合った進路を選択していくべきである
と思う。例えば、桃太郎は、犬と猿とキジの長所を生かして鬼退治に出かけた
という桃太郎の有名な話がある。こうして、それぞれの利点をうまく生かして
、協力し合えば良い結果も得られるだろうと思う。
 
  確かに、苦手な部分を直して、得意なものとの安定を目指して、幅広い知
識を必要とすることが今の日本の社会には求められているかもしれない。しか
し、短所を無くす一番良い方法は、長所を伸ばすことである。そのような教育
を認めつつある今の日本の社会には、専門とするものだけが極めて優秀な人材
も必要なのではないかと思う。