ひとこと(5月3週)
鯨や象は
イチゴの広場
きわ大2
 
 ふとした疑問であるが、鯨や象は人の「知性」とはまったく違った「知性」
を持っているのではないだろうか。
 
 シャチやイルカに芸を教え込もうとする調教師や鯨たちの専門家は、「シャ
チやイルカは、ただ餌がほしいために本能的に芸をしているのではない」と言
う。シャチやイルカは自分の状況を認識し、その状況の中で精一杯生きるため
に、「芸」と呼ばれることをするのである。そこには、人間の強制ではなく、
状況を理解して適応して生きていくシャチ自身の意志と選択がある。
 
 私たちについても、このシャチやイルカのような状況を理解しそれを受け入
れるような調和という知性が必要なのではないだろうか。
 
 なぜなら、私たちが今日まで持ってきた知性ではもはや限界なのである。私
たち人間の知性とは、自分の利益のために相手を利用する攻撃性の知性であっ
た。この攻撃性の知性をあまりにも進歩させた結果、人間は大量殺戮や環境破
壊を起こし、地球全体の危機を招いてしまったのである。
 
 シャチやイルカのもつ知性は、受容性の知性であり、自然をコントロールし
ようとはせず、自然の持つ多様な営みをできるだけ理解し、それに適応して生
きていこうとした。この考えは、かつてのアメリカインディアンやオーストラ
リア原住民、そして、日本のアイヌの人々の中にもあったのである。狩りをし
ても、決して獲り尽くさない、自分たちが生きていく上で必要な分だけ取ると
いう考えである。
 
 たしかに、私たちはこの近代ヨーロッパからきた「自分の利益のために相手
を利用する」という攻撃性のある知性で、今日までの発展を推し進めてきた。
しかし、ここで私たちはもう一度考えてみる必要があるのではないだろうか。
シャチやイルカ、そして私たちの先祖がしてきた、自然の持つ多様で複雑な営
みをできるだけ理解し、それに適応して生きていくという調和の知性を。