ひとこと(4月4週)
<ふしぎ>がること
アジサイの広場
吉見こと大2
 
 古代ギリシャ人は夜の闇を破って出現してくる太陽の力強い姿を見て、太陽
を黄金の馬車に乗った英雄と物語った。現代の社会で、このことをいったら誰
もがバカにするだろう。子供でも太陽が熱を持った球体でしかないことを知っ
ている。リンゴが地面に落ちる理由といえば誰もがニュートンの万有引力の法
則を思い浮かべる。だがこれら普遍的な物の考え方の発生の裏には必ず<ふし
ぎ>があった。なぜ太陽は熱を持っているのか、なぜリンゴ下に落ちるのか。
これら<ふしぎ>を追求していく途中でギリシャ人の神話のようなものが生ま
れ時代を経るごとに普遍的な法則が生まれたのだ。この普遍的な法則の中には
私たちの社会の繁栄に多大な恩恵をもたらしたものもある。<ふしぎ>がるこ
とは社会を変える一歩なのだ。
 
 映画のフックは現実社会の戻り大人になって普通の中年サラリーマンになっ
たしまったピーターパンが、もう一度子供だけのネバーランドに戻り海賊フッ
ク船長と再び対峙する、という物語である。中年サラリーマンのピーターパン
はどうしてもフックには勝てなかった。しかしピーターパンはネバーランドの
今も変わらない子供の社会で過ごすうちに昔の頃の若々しさと勇気を取り戻し
フックを倒したのだった。このネバーランドには大人は存在しない。だから普
遍的な価値観もない。普遍的な価値観にとらわれない柔軟性んぽ物の考え方が
中年ピーターパンを若返らせ新しい力を与えたのだろう。
 
 一方の現実社会には様々な問題がある。その一つが原発設置問題である。で
はなぜもめてしまうのか。だれもが原発は悪いものだと思う。どうやら環境や
生活に悪影響を与えるらしい。でも、その理由を答えることのできる人は何人
いるだろうか。だれも<ふしぎ>がらずに異を唱える。その<ふしぎ>を個々
人で究明し、その理由を知ることができれば原発設置問題は多少落ち着くので
はないか。
 
 私たちは誰もが<ふしぎ>がらなくなっている。煩雑な日常の中ではそんな
時間はないかもしれない。だが今日の社会に恩恵をもたらしてくれる普遍的な
法則も、最初はたった一人の<ふしぎ>がることから始まったのである。今日
の社会は<ふしぎ>がることで成り立った社会である。よりよい社会を作るた
めにも私たちは<ふしぎ>がらねばならない。