ひとこと
ダーウィニズム
アジサイの広場
幸裕あつ高2
 
 ダーウィニズムは、社会思想から重要なフィード・バックを受けていたが、
ダーウィニズム自身が今度は人類の社会的問題を扱う思想領域へ逆にフィード
・バックすることになった。最適者生存の最適者という概念を、きわめて恣意
的に、自分の都合の良いように解釈して、それを倫理や社会思想の面に応用し
ようとする態度が、「種の起源」以後急進に広がっていくのがこのことを示して
いる。私は社会思想の中に適者生存という考えが根づいていることが問題だと
思う。
 
 それは第一に資本主義を説明するのに便利だからである。昔、西洋の国々が
植民地を獲得したとき、その土地を統治するには資本主義の自由競争という理
念が適していた。そのため、植民地では必然的に適者生存へとなっていった。
 
 私は過去の例を示し、適者生存が必ずしも全てに当てはまらないことを示す
べきだと思う。ゲルマン民族の優秀性を強調してユダヤ人を迫害していったナ
チズムのように適者生存という生物学的論理によって人間の手による人間の人
為陶汰という思想の合理化がなされてはならない。
 
 リンカーンは南北戦争で黒人奴隷をを解放して北軍を勝利に導いた。植民地
主義の適者生存という思想のもとで奴隷として連れてこられて、働かされてい
た黒人を解放したリンカーンの功績は大きいと思う。
 
 確かに生物進化論は社会科学的思想は密接に関係していて適者生存のような
自由競争は必要かもしれないが、私は社会思想の中に適者生存という考えが根
づいていることが問題であると思う。
 
 社会とは適者生存ではなく思いやりが必要である。
 
 もし社会が全て適者生存の原理に従って営まれてきたのならとても住みにく
い社会であると思う。