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疎外することと尊重すること
イチゴの広場
アツコとれ大1
生徒コード とれ  5月2週分  中根先生  土曜日
 
 疎外することと尊重すること          矢崎温子
 
 誰かを裏切り者という形で一つの集団から疎外したり、同じ敵を作ることで
盛り上がったりすることは宗教や社会に限ったことではなく、人間にそういっ
た傾向が潜在していると言えるだろう。
 
 例えば、自分をふくめた日本の女子においてもそのような傾向が強いのでは
ないかと思う。グループを形成し、特定の「敵」の悪口を言い合ったり、いじ
めたりすることでそのグループ内の信頼や連帯感を強めたつもりになることが
ある。しかし、そのグループにそれ以上のものは生まれないし、それは幼稚な
付き合い方にほかならない。残念ながら、そのような疎外する傾向が、多くの
争いや現在最も大きな問題であるコソボ問題にもつながっているのではないだ
ろうか。
 
 1910年代にイギリスの高校、大学に留学し、学生生活を送ったという池田潔
さんによれば、イギリス国民の特徴として、彼らが伝統尊重の気風の強いとい
うこと、更にその反面、伝統の維持ガ弊害を伴うことを自覚した場合に彼らが
決然としてその執着を打ち切るだけの良識と勇気とを持ち合わせているという
ことがあげられるという。自身のことに自信を持つことと、他のものを疎外す
ることとは全く別のことである。自分の自信や誇りが、他人を疎外したり、他
人を基準にしたものの上にあってはならない。
 
 私達はつい他の人のことを気にしてしまう。しかし、人は各々全く違う個体
としてあるのだから、お互いのことを諦めるのでもなく、疎外するのでもなく
、相手と自分とを尊重できるようになることが大切ではないかと思う。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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