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井戸端園の
アジサイの広場
T.Oいう高3
 植物は、十分に肥料を施すとその栄養の大部分が葉や根にまわり花を咲かせ
なくなり、逆にあまり肥料を与えないと少ない栄養が花にまわり、立派な花を
咲かせて種子を残す。前者を栄養成長、後者を成熟成長と言い、植物に限らず
私たち人間は普通後者の方で生きてゆき、子孫を残してゆくことを念頭におい
て生きる。
 
 この数年間、小中学生を中心に若手の新人俳優やタレントが続々とデビュー
している。彼らもしくは彼女たちは、テレビ画面上での華々しい外面の裏で、
友人達や家族と共に過ごす時間を犠牲にし、本来なら将来に向けての下積みを
するべき期間に「花」を咲かせようとしている。そういう生き方を選ぶか、一
歩一歩確実に人生を歩んでゆく生き方を選ぶかはその人次第である。
 
 「ウサギとカメ」ではウサギはもともと高い能力をもっており、その力を競
走の序盤から出しきり楽勝に思われたが、結局は少しずつ長期的に力を出しき
ったカメが競走に勝った。この話では最後は地道な生き方が勝つようになって
いるが、中には能力も優れていてなおかつ努力を惜しまない人もいるのだから
、自分がどのように生きてゆくかを決めるためには自分を知っておくことも必
要である。
 
 若いうちから「花」を咲かせることだけを目的にして全力を使い果たしてし
まうような生き方は、全盛期には計り知れないほどの充実感が味わえるが、そ
の後とのギャップが大きく、一般的に危なっかしく向こう見ずであると言われ
ている。それを考慮するとやはり若いときは日の目を見なくとも、その間に苦
しみや下積みの辛さを知って、そして最後に大きく「花」を咲かせる生き方の
方が実りのある人生と言える。「一寸先は闇」というように、どんなに毎日が
うまく事が運んでいっても次の瞬間にはどんな落とし穴が待っているかわから
ない。「毎日を楽しく過ごす」というのはよい心がけではあるが、いわゆるそ
の日暮らしと言われるような生き方ではなく、先を見据えた余裕のある生き方
をするようにすればおのずと「楽しい毎日」と思えるような日が続くものでは
ないだろうか。
 
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