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連帯感 イチゴの広場
クラシックしふ中2 アポロ9号に乗り込んだ宇宙飛行士、ラッセル・シュワイカートは、月面着陸船のテストを兼ねて宇宙遊泳している時、不思議な体験をした。  

 宇宙で遊泳した直後に、カメラが突然故障し、ラッセル・シュワイカートは、5分間何もしないで待つようにと、言い渡された。
 

 全ての交信は、全て断たれ、真空の宇宙で完全なる静寂が、シュワイカートを包んでいた。彼は、ゆっくりとあたりを見回した。眼下には、真青
に輝く美しい地球が拡がっている。無重力のため、方向感覚もなく、自分の視界を遮るものも存在しなかった。  

 まるで、自分が、生まれたままの姿で、宇宙を漂っている気がした。彼の目に、何故だが、涙が込み上げてきた。それは、何だか分からない。た
だ、とても熱く激しい何かが、彼の中を奔流し、駆け回った。シュワイカートは、眼下に広がる全ての生命、そして地球そのものに、言い知れない ほどの、深い連帯感を覚えた。  

 彼は、その時の悟りを、こう語った。
 

 「今、ここにいるのは『私』であって『私』でなく、すべての生きとし生ける者としての『我々』なんだ。それも、今、この瞬間に、眼下に拡が
る、青い地球に生きるすべての生命、過去に生きたすべての生命、そして、これから生まれてくるであろうすべての生命を含んだ『我々』なんだ。  

 
 

 宇宙に行った宇宙飛行士達は、必ずと言って良いほど、こう語った。地球に存在する全ての生命を全てひっくるめて、彼らはこう言ったのだ。
 

 「地球は生きている。」
 

 今、人々のほとんどに、他人との連帯感というものが、存在していない。
 

 確かに、連帯感が存在しないおかげで、人々は、他のどの生物より強くなれたという点は上げられる。だが、もうそろそろ協力し合う事が、求め
られてくるはずだ。 例に、自然問題が上げられる。もし、人間の全てが、国境線も、武力も、権力も関係なく、肩を組み合うことが出来れば、こ の問題は、たちどころに解決するだろう。 今、人々に、必要なのは、地球と繋がっているという実感と、人々と同和問題だろうがなんだろうが、 そんなもの関係なく肩を並べられる勇気である。  

 二つ目の例をあげよう。 連帯感が生まれなければ解決できないもの。それは、考え方である。 種族が、他の種族と交われば、当然、意見の食
い違いある。だが、協力し合えば、お互いの意見を尊重しあえれば、この問題は解決するはずなのだ。  

 お互いに、協力し合える社会は、いったいいつ訪れるのだろうか?
                                 
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