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Number.1
エンジュの広場
バンビいそせ小6


 Number,1
 


 
 


 私は、一番をとったことが一度もありませんでした。得意なことでも、2番か3番になってしまいます。がんばっても、なぜか1位は取れません
でした。私が一生懸命がんばったとしても、相手ももっとがんばります。
 


 スポーツの中で一番得意なのは、長距離を走ることです。最初に猛ダッシュします。それから、3分くらい走ると少し苦しくなってきます。けど
みんなもペースを落としているので猛ダッシュをするとどんどん抜かせます。コンクリートで走るとなぜか足が軽くなるので、そこでも、猛ダッシ
ュします。ゴールからあと20メートルというところでまた、猛ダッシュし最後の一歩をすばやくゴールの線に足をおろすととても早いタイムがだ
せます。でも、私がペースをあげたとしても相手もペースもあげるので、どうしても抜かせません。持久走は自分との戦いといいますが、自分より
前を走っているひとめがけて走らなければ自分にさえ勝てません。ですから、前へ前へとひたすら進むのです。前へ進むことだけ考えて走っていれ
ばいつのまにか2番か3番までのぼりつめています。だけどいつも前にあいつがいるのです。くやしいー。「くやしい。」という想いが積もりに積
もって、ある日私は決めました。「あいつの前を走ろう。つらくても最初から最後まで!!」とにかく勝ちたい。そう想ってスタートラインに立っ
 


 ピストルが響き私の体は風とともに走りだしました。ばあーっと1番にはしり出るとあいつの足音が激しく怒っているかのように頭に響きます。
中間地点までくるとさすがに苦しくなってきます。おもわず振り返るとあいつはこっちを見てペースをあげだしました。ここで負けてたまるか!!
とっさに足がはしりだしました。ゴールはもうすぐ!!…
 


 足に感覚がなくなって頭もくらくらします。でも、目の前にゴールが見えているので勢いよくゴールへ足を滑りこませました。「はい!!1ばん
。」「1」と大きく書かれた紙は輝いてみえました。この走っている時間はやけに長く感じました。だけど、ゴールした時の喜びはそれに勝ります
。でも今年の持久走には、あいつがいません。横浜に転校してしまいました。だから、少し複雑な気持ちです。でも私はがんばります。また一番の
喜びを味わうために!
 


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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