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おトクな比喩 イチゴ の広場
ひろりん あしゆ 中1

 子供が紙風船で遊んでいる一枚の写真につけた詩があった。この詩の命は「何度でも打ち上げよう 美しい願い事のように」という「比喩」にある。何度
も打ち上げるそのことに生きる証、というような祈りに似た詩の心が伝わってきて、励ましさえ感じる。このように「比喩」はお互い遠いものを結びつけて 長く私たちの印象に残らせる。それに日常の会話でも効果的に使うと、表現が生きてくるのである。  

 宮部みゆきさんが書いた「魔術はささやく」という本がある。大人向けのものだがなかなかおもしろい。内容は、お互い関係がないように見える3つの殺
人事件がおこって、それを主人公が解いていく、という感じのものだ。その主人公が3人目が住んでいた部屋に忍び込んだときにおもしろい比喩があった。 足の下に画鋲かなんかがあって、「このまま足を下ろしていたら隣の部屋の住人の眠りを妨げてしまうところだった。」というような文章があった。つまり

「ぎゃーー!!」という叫び声なのだが、そういうことが遠まわしに読み取れて、「ふっ」と笑えた。(私の場合たいがい鼻で笑う)これが「このまま足を
下ろしていたら叫んでいたところだった。」だったら絶対笑っていなかった。比喩を効果的に使うと表現が生きてくる、というのは本当だなァ、としみじみ 思った。  

 比喩は物事をわかりやすくするだけでなく、私たちの印象に残らせる。わたしも実際に体験したし、非常にわかりにくい内容でもわかりやすくなる。「比
喩がこんな大きい役割をするなら、作文でわかりにくい内容を書くときも楽々かなあ、ニヒヒ。」なんて考えている私である。                                                      
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