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コンテンツの産業化にむけてすべきこと イチゴ の広場
山口晃弘 あう

 ITはインフラとしてのITとコンテンツとしてのITの二つに分けて考えることが出来る。インフラとしてのITは所詮、価値を生み出すための召使に過ぎない
。現在の日本においてインフラ面のみをITとして認識している。しかし、二つ目としてコンテンツとしてのITがある。それ自体では何の価値も生まないケー ブルをとおして様々なソフトが配信されてはじめて価値が生まれる。このようなことからコンテンツこそがIT革命の主役であるといえる。  

 昨年のダイヤモンド誌に興味深い記事が掲載されていた。20年程前、ハロー・キティで有名なサンリオ社のもとにビル・ゲイツ氏が毎日のように来ては山
のように買い物をしていったと言う。キティに興味を持った根拠を彼に聞いたところ、「いずれキャラクターの時代が来る」というのが彼の答えだったそう だ。ITが普及し、コンテンツが重視されるようになり、いまではキャラクタービジネスが注目されている。彼は、「Windows」がヒットする前からコンテン ツの重要性を予見していたことが分かる。  

 ソフトなどの利点としては、無限にその可能性が広がるということが挙げられる。物がほぼ世界中に行き渡った中で、新しい人々の欲求を満たすためには
、このソフトの特性は十分期待できる。新規開発もあるレベルまで行き着いた中で、付加価値の高いものを提供していくことを宿命付けられた先進国にとっ てソフト産業を産業全体の牽引車に位置付けることは十分考えられる。  

 だが、さほど経済に良い効果をもたらさないという考え方も出来る。そもそも、人がたくさん集まれば優れたソフトが完成できると言うわけではない。た
とえ少数の労働者から構成される企業でも優れたソフトを開発することは十分に考えられる。以下のようなことから、仮に一主要産業として成立しても、一 般的な製造業と比較して労働力を吸収することはあまり期待できないと言える。  

 このようなことを前提とした上で、ソフト開発産業を牽引車にまで成長させるにはどうすべきだろうか。ありきたりな提案ではあるが、ハード産業と合わ
せる形で成長させるべきだろう。テレビゲームでイメージすれば分かりやすいが、どれほど優れたゲームを開発してもそれを動かすハード機器がなくては話 にならない。ハード機械の発展無くしてソフトウェアの発展もありえない。従って、労働力の確保も期待できるハード面の産業と合わせた形でソフトウェア 産業も発展させていくべきであると考えている。  

 
                                               
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