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涙の絆 イチゴ の広場
有貴 いおし 小4

「ありがとうさようなら ともだち
 

 ひとつずつのえがお はずむ声
 

 夏のひざしにも 冬の空のしたでも
 

 みんなまぶしく輝いてた
 

 ありがとうさようなら ともだち」
 

 それは兵庫県川西市の桜ヶ丘小学校から大阪府池田市にある秦野小学校に転校する前の日のことだった。その日は先生とみんなが僕のためにお別れ会をし
てくれた。本当なら授業があるはずなのに先生が特別に一日中空けてくれた。初めは謎好きの川田君による手品から始まり、その次に目立ちたがり屋のやす えちゃんたちによる劇や漫才などみんな色々な芸を見た。そしてたのしい時間はあっという間で、すぐ帰る時間になってしっまた。ふと外を見ると冬から春 にかけての風で木がゆれていた。その木は別れの悲しさと出会いの予感の間でゆれているようだった。そして最後にみんなで合唱する事になった。まずやす えちゃんたちがリコーダーを吹き、六反田さきちゃんという子達はピアノを弾きそしてきわめつけには、僕がギターを弾いて後の人は歌を歌って合唱をやっ た。その曲名は「ありがとうさようなら」だ。それを合唱するときに先生が  

 「有貴がいなくなると寂しくなるわー」
 

 と言った。
 

 「ありがとうさようなら せんせい
 

 しかられたことさえ なつかしい
 

 あたらしいかぜに 夢のつばさひろげて ひとりひとりが とびたつとき ありがとうさようなら せんせい
 

 ありがとうさようなら みんなみんな ありがとうさようなら  みんな」 この歌詞のとき三年間にあった色々な事を思い出して泣きそうになった。と
言うのは桜ヶ丘小学校は小さい学校で一クラスしかなくクラス変えがないのだ。教室の中を見るとそこには、なじみぶかい僕の机があった。  

 「ありがとうさようなら きょうしつ はしるように過ぎた たのしい日 思い出のきずが のこるあのつくえに
 

 だれがこんどは すわるんだろ ありがとうさようなら きょうしつ」 この最後の歌は僕の気持ちと一致していた。
 

 人のきずなのことを考えると思わず涙がポロリ。
                             
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