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清書:正直なほうがいい アジサイ の広場
一休さん わら 小3 img  

 「やったあ!!」
 

 「おにたのぼうし」の国語のテストが、返ってきた時、僕は大声をあげました。このテストには百点という文字が書かれていたからです。でも、これからが
僕の悲劇の始まりだったのです。  

 僕はうれしくて、机の上にどーだというようにテストを広げていたら、前の子が、
 

 「おまえ、書き抜きなさいという問題なのに、ビー玉がビー王になってるぞ。」
 

 と大きな声で言われて僕はあせりました。こんなことがあるなんて思ってもいませんでした。なぜ、ビー玉がビー王になってしまったのでしょうか? そ
れは絶対に玉という字が王ににていたからでしょう。点を入れるか入れないことでまちがうなんて、もったいないと今は、すごく思います。  

 前の席の子から、
 

 「ほら、先生のところに行けよ。」
 

 と言われて思い切って先生のところにいったら、先生は、
 

 「えらいなあ。」
 

 と言われました。ぼくは、席に着いて目を輝かすようにうれしかったです。なぜかというと、先生にほめられるなんて、ほんの二、三度しかないことが起こ
ったからです。この時僕は、 「正直者はいいや。」 と懸命に心から感じました。  

 家に帰ってこのことを聞かせたら、お母さんが、 「前の子に感謝しなきゃね。」 と言ったので、怒られるばかりと思っていた僕は、びっくりしました。そ
れは、まちがいをみつけてくれて、僕が先生に正直なことを言ったからだと思います。お母さんにもほめられて今日が一番うれしい日でした。  

 後で思ったことは、これはまぼろしの百点、ないしょの話になっていたかもしれないなあということです。そうならないでよかったと感じます。今度は、り
っぱな百点をとるぞ!                                   
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