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計画
イチゴ の広場
あやの あしわ 高3
 現代の社会は管理が隅々まで行き渡り、何十にも安全体制が敷かれ、大きな
失敗が起こることは少ない。その反面で新しい発見の機会が得にくくなってい
るのではないか。
 
 旅行を例に見ても、多くの人が利用するいわゆるパック旅行では事前に旅行
会社が綿密なポイントを押さえた充実性のある計画を立て、保険をかけ、安全
性を追求した旅を提供する。しかし、個人単位の俗に言う放浪の旅のような旅
は計画性は欠けるが、意外な発見や出会いから予想以上の感動を味わうことが
できる。旅は本来そのような出会いや感動を求めるものであったのではないか
 
 このように計画を立てることが社会の基本ようになった背景には今の安定し
た豊かな社会が影響を与えている。現在の情報社会に置いては多種多様な情報
があらゆる形で流通するようになり、私たちは容易に必要な情報を入手するこ
とが可能になり、未知の要素が少なくなった。今やコンピューターさえ有れば
、「知りたかったこと」は瞬時にして既知のこととなる。それ故私たちは自然
とより正確で新しい情報を得るために、大きな情報機関に依存するようになっ
た。
 
 しかしこのような「計画」で固められた社会にも新しい発見や感動を求める
ためには無計画の要素も必要のはずだ。無計画の良さ(計画を立てないことの
良さ)を認識するにはやはり無計画な計画を実行し実際に体験してみることが
一番であろう。教育の現場で個人の興味に応じた実験を多用したり、目的を決
めずに遠足に出かけたりするなどして、計画を立てないことで得られるおもし
ろさや自分の判断の重要性、そして予想外の発見と感動を実感し、常に指示に
従うのではなく何かハプニングが起きたときの対処法を学ぶ機会としても、挑
戦的な要素を盛り込むことで教育の幅と質を高めることができるのではないか
 
 確かに「無計画の良さの再認識」などを掲げることができるのは、安全な社
会の基盤が有ってこそできる話で、安定した計画的な社会を否定しているので
はない。ただ私は計画性と非計画性の二つの相対する性格が共存してこそバラ
ンスの取れた理想的な社会なのではないかと思うのだ。計画を頑なに守ろうと
するよりも、その計画を状況に寄って対応、変化させることができるのが人間
なのであって、必要なものは柔軟で応用力のある性格であり、その性質は無計
画の良さを見直すことで得られるのではないか。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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