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アジサイ の広場
くみこ さく 高1
        心
 
                   磯野久美子
 
 
 将来なりたい人や、目標としている人を聞いたときに、いったい何人の人が
「心のきれいな人になりたい」というだろうか。わたしは今までそんな風に言
った人を聞いたことがない。よく聞くのは、「お金持ちなひとになりたい」「
お医者さんや、パイロットになりたい」とか、「顔の可愛い人、スタイルのい
い人になりたい」という言葉だ。つまり、ほとんどの人にとって、心というも
のはお金や外見、職業といった物質的なものより重要ではない、ということに
なる。しかし、やはり心というものは人間が人間として生きるために一番重要
なものではないのだろうか。私は、みんなが見た目をよくしようと努力したり
、お金を稼ごうと頭を使う以上に、心を磨く努力をすべきだ、と思う。では、
心の美しい人になるためにはどのようなことをすればいいのだろうか。
 
 まず一つ目の方法は、周りの人のことを心でよく考える、ということである
。そもそも、「心のきれいな人」と言ったとき、世間一般では「相手の事を考
え、自分の利益だけに目を向けることなく、見返りを求めずに共通善のために
奉仕する人」という人を指す。自分のことを考えるのはおおいにけっこうだが
、周りのことを考え、尽くす人でもなければ心がきれいなひと、とは決して言
えない。そうなるためにはまず、周りのことを第一に思う心を養うことが大切
である。
 
 二つめの方法は、自分の損得を考えないようにする、ということである。い
ちいちこれをやれば儲かる、とか後でお返しをしてもらえるだろう、というこ
とばかりを考えていたのでは、心のきれいな人になる、ということはほど遠い
。有名なマザー・テレサは無奉仕で貧しい人、かわいそうな人々のために尽く
したが、彼女は文句なしに心のきれいな人、と言うことが出来るだろう。ここ
でもしマザー・テレサが「こんな風に世話をしてあげれば、金持ちな人が感心
してお金をくれるかもしれないぞ。」などと考えていたのでは全く評価が違っ
てきてしまう。お金や自分の利益にばかり執着していたのでは、本当に心のき
れいな人になる事はできない、ということをよく覚えておかなければならない
 
 確かに、それなりの収入と評価を世間で得るためには頭が良くなくてはいけ
ないし、お金や美貌があれば得することもあるだろうが、心というものもきわ
めて重要なものである。頭やお金や美貌だけでは本当に人から愛されることは
できないし、人から愛されなければ本当に幸せになることは出来ないからであ
る。世の中金だ、どんなに心がきれいでも金がなきゃあ生きていけない、と言
う人もいるが、「名医ということばがある限り、医学は科学でなく、無医村に
行きたいと言う医者の卵がいる限り、人間は金より心の生き物である」と私は
思っている。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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