先頭ページ 前ページ 次ページ 最終ページ
人生に必要なもの・・・それはタイミング
アジサイ の広場
ホームズ なか 小5
 そっ啄の機という言葉があるが、それは、得がたい好機の意味で使われる。
もとは、親鶏が孵化しようとしている卵を外からつついてやるのと、卵の中か
ら雛が外に出ようとするのが、ピッタリと息の合ったことをいう。親鶏が卵を
つつくのが早すぎても遅すぎても中の雛は死んでしまう。このように、頭の中
に卵が温められていて、まさに孵化しようとしているときなら、親鶏が卵を外
からつつくように、何かきっかけがあれば、それで雛がかえる。しかし、この
千に一番のかね合いが難しい。何でもない人間と人間とが、たまたま知り合い
になる。それがきっかけになって、他の人たちとどれほど親しく交わっていて
も得られなかったものが得られるかもしれない。一期一会だという。人間にと
って価値のあることは、大体において時間がかかる。しかし、じっくり時間を
かけたものでないと長い生命をもちにくい。育てて、寝かせておく。そして、
徹底的瞬間がくるのを待つ。そこでことはすべて一挙に解明するのだ。つまり
、一番大切なことは、「人生何事もタイミングが肝心」ということなのである
 
 僕も、三年生の時に運命的な出会いをしたことがある。担任だった稲葉先生
に出会った。僕は、三年生になって、稲葉先生に出会うまでは、とっても内気
で恥ずかしがり屋だった。そのため、友達だってできなかった。でも、稲葉先
生は、手を挙げていない僕を指してきた。国語の時間で、自分の考えを述べる
というものだったので、言葉の森をやっている僕にとっては楽勝だった。でも
、手を挙げるのが恥ずかしかっただけなのだ。心の中で、まるで雛が外に出よ
うとしている時のように、「よし!!手を挙げるぞ!!」と、決心したのと稲葉先
生が指したのが同時だった。なかなかいい意見が言えた。それから、自信のつ
いた国語を中心に、社会、理科、算数と、発表の幅を伸ばしていった。稲葉先
生が、違う学校に行っても発表を続けた。今では、手を挙げるのが恥ずかしか
った僕が、手を挙げていないと恥ずかしいまでになっていた。きっかけを作っ
てくれた稲葉先生には、本当に感謝している。
 
 きっかけといえば、面倒なことが嫌いだった僕に、読書のきっかけを与えて
くれた人がいる。言葉の森の中根先生だ。中根先生は、僕が一番始めに感動し
た本の、「シートン動物記」を薦めてくれた。その時は、学校で、読書が流行
り始めた頃だったので、僕も本を読んでみたいと思っていたころのことだった
のだ。それを元に、僕は母に薦められた本を読み、ホームズ、ルパンの推理小
説を読み、読書が好きになっていったのだった。
 
 「三年生(みつご)の魂百までも」ということわざを作ったが、意味は、三
年生の時までに教わったことは、百歳になっても忘れないということだ。だか
ら、三年生ぎりぎりで稲葉先生に教わった発表の楽しさは、百歳になっても忘
れないことだろう。・・・・・・・・・つまり人生には、タイミング=そっ啄
の機というものが大切だということが分かった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

ホームページ