【1】
夏休みの
友といえばやはりカブトムシです。
昆虫の
王様と
呼ぶにふさわしいその
姿は、子どもたちの
視線をとらえてはなしません。ペットショップのカブトムシコーナーは、
毎年黒山の人だかりができていますし、
採集ツアーも
登場するほどです。
【2】いかにも
丈夫そうな
姿のカブトムシですが、その
命はそれほど
長いものではありません。
卵からかえり、
冬を
越した
幼虫は、
蛹へと
姿を
変え、
夏になると
成虫、つまりカブトムシへと
変身しますが、
成虫になってからの
命はおよそ一か月ほどといわれています。【3】ですから、
夏休みが
終わるころは、ちょうどカブトムシの
命もつきる
時期にあたるのです。クワガタムシも、カブトムシと
並んで人気があります。カブトムシがひと
夏の
命なの
に対して、クワガタムシの
場合、
種類によっては
越冬できるものもあります。えっとうれしくなってしまうでしょう。
【4】
大切に
育てていたカブトムシの
死は
悲しいものですが、
死んでしまったからといってすぐに
飼育ケースを
処分してはいけません。ケースの中の
腐葉土をそっとのぞいてみましょう。もしかしたら、小さな
卵が見つかるかもしれません。【5】
直径三ミリ
程度の白くて
丸い卵です。
孵化直前の
卵は大きさは五ミリ
程度になり、
色も
黄色味を
帯びてきます。この
卵をじょうずに
育てることができたら、
大切にしていたカブトムシの
二世と
対面できる日がやってくるのです。
【6】
卵からかえった
幼虫は、おもに
腐葉土を
食べて大きくなります。
幼虫時代に
摂取した
栄養が、
成虫のカブトムシの大きさを
決定付けます。いったん
成虫になってしまったら、どんなに
樹液を
吸ったところでそれ
以上大きくはなりません。【7】
立派な大きさのカブトムシは、
幼虫時代に
十分な
栄養を
取っていたのです。もしも
人間がカブトムシと
同じ性質だったらどうでしょう。
成人したらいくら
食べても
太らないわけですから、ダイエットに
励んでいる大人にとってはなんともうらやましい
話です。∵
【8】
通常、一
匹の
幼虫が
蛹になるまでに
食べる腐葉土の
量は、
洗面器に
山盛り一杯分にもなるそうです。カブトムシは、そんな
大量の
腐葉土をかぶっとむしゃむしゃ
食べてしまうのです。さすがに
昆虫の
王者、
驚いてしまいます。
【9】
友達に
自慢できるくらいの大きなカブトムシを
育てるためには、
良質な
腐葉土を
絶えず補充してあげることが
大切です。また、
飼育ケースの中のフンを
取り除いたり、
掃除をしたり、
根気よく
世話を
続けることが
必要です。
【0】では、カブトムシとクワガタムシでは、どちらが
強いでしょうか。カブトムシの
得意技は、カブト
割りでしょう。クワガタムシの
得意技は、もちろんクワ
固めです。
結果は、カブトもクワガタも、
お互いをムシして
引き分けになりました。
言葉の森
長文作成委員会(ω)