大昔、
地球上で
栄えていた
恐竜は、
今から六
千五
百万年ほど
前に
絶滅しています。シーラカンスも、
恐竜と
同じ時代に
生きていた
古代魚のなかまで、
体長は
人間ほどの
大きさもありました。
世界各地で
化石が
見つかっており、
恐竜とともにほろびさった
生物であると
考えられてきました。
ところが、あるとき、
南アフリカの
東海岸で、
漁師がつかまえた
魚の
中から
奇妙な
形のものが
見つかりました。ぬるぬるした
厚い大きなうろこにつつまれ、四
本の
足のようなひれを
持つ魚でした。
南アフリカの
博物館員が
調べたところ、それは、ほろびたはずのシーラカンスだったのです。
その後、
インド洋など、ほかの
地域でもシーラカンスが
発見されました。インドネシアでは、ほかの
魚にまじって、
何気なく魚市場に
並べられていたこともありました。
シーラカンスがすんでいるのは、ほとんど
光の
届かない
深い海です。そのため、
人間の
目にふれず、ひっそりと
生き続けることができたのかもしれません。
発見されたシーラカンスは、三
億年以上も
前の
化石と、ほとんど
同じ姿をしていました。
現在、シーラカンスが
発見されているのは、
南アフリカとインドネシアです。しかし、この二つの
地域は、
北海道から
九州までの
距離の
約五
倍も
離れています。しかも、シーラカンスは
深海に
住んでいるため、
泳ぎがうまくありません。どうしてこんな
遠く離れたところに、
同じようなシーラカンスがいたのでしょうか。
科学者がシーラカンスのミトコンドリアの
細胞を
調べた
結果、二つの
地域のシーラカンスは、
大昔に
分かれたことがわかりました。
昔、インド
大陸がユーラシア
大陸にぶつかって、インドがアジアと
陸続きになったころ、その
海にすんでいたシーラカンスがアフリカ
側とアジア
側に
分かれてすむようになりました。シーラカンスの
姿や
形は、そのころからほとんど
変わっていなかったのです。∵
そこで、シーラカンスさんにインタビューしてみました。
「そんなこと、ちっともしーらなかったんす。」
言葉の
森長文作成委員会(κ)