a 読解マラソン集 9番 カタツムリとナメクジは u3
 カタツムリとナメクジは、どちらも巻き貝ま がいのなかまで、大昔おおむかしうみ住んす でいました。うみ住んす でいたころは、ナメクジにもからがあったのですが、どういうわけか、ナメクジはから捨てす てしまいました。もっと身軽みがるになりたいと思っおも たのかもしれません。カタツムリは、うみ住んす でいたときのまま、いまでもからをつけています。からのないナメクジは、水気みずけのないところではからからになってしまいます。一方いっぽう、カタツムリは、あめ降るふ まで、から入り口い くちまくをはって待つま ことができます。 
 カタツムリのからは、ヤドカリのようにだれかにもらったものではなく、生まれながらう     につけているものです。このからは、からだからしみ出しだ 石灰せっかいぶん作らつく れ、からだにくっついているので、カタツムリのからからだとを引きひ はなすことはできません。このからがあるおかげで、カタツムリは、いつでもてきからをかくすことができますが、ナメクジは、カタツムリのようにからなかにかくれることができないので、よるにしか行動こうどうしません。
 ナメクジにしおをかけると小さくちい  なっていきます。これは、しおをかけられたことによって、ナメクジのからだなか水分すいぶんそとていくためです。しおだけではなく、砂糖さとうやこしょうでも同じおな です。ナメクジは、とけていなくなってしまったように見えみ ますが、じっさいには、水分すいぶんがなくなったために小さくちい  なるだけです。もちろん、そのままにしておくと死んし でしまいますが、みずをかけてやると、まるで魔法まほうをかけられたように、また元気げんきになります。
 もともとはうみなか生き物い ものだったカタツムリとナメクジ。りく上がっあ  てからは、から捨てす てしまったナメクジのほう苦労くろうおおそうです。うたにも歌わうた れて人気にんきのあるカタツムリに比べるくら  と、ナメクジは少しすこ ぶん悪いわる ようです。ナメクジは、びんぼうくじをひいてしまったと思っおも ているかもしれません。
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a 読解マラソン集 10番 地震、雷、火事、おやじ u3
 「地震じしんかみなり火事かじ、おやじ」は、むかしから怖いこわ ものの代表だいひょうとしてあげられてますが、最後さいごの「おやじ」は、本来ほんらいは「大山風おおやまじ」と言っい ていたもので、台風たいふうのときの強いつよ かぜ意味いみしていたそうです。自然しぜんには、人間にんげんちからでは太刀打ちたちう できない脅威きょうい秘めひ られています。ここでは、そのなかかみなり焦点しょうてん当てあ てみましょう。 
 かみなりは、まず、くもができるところから始まりはじ  ます。地面じめん海面かいめん近くちか 湿っしめ 空気くうきは、水分すいぶんをたくさんふくみ、あたたまるとうえにのぼっていきます。その空気くうき上昇じょうしょうすると、温度おんど下がりさ  水分すいぶん積乱雲せきらんうんとなります。積乱雲せきらんうんうえほうでは更にさら 温度おんど下がりさ  水分すいぶんこおりになります。そのこおりくもなか落ちお ていくときに、うえ向かうむ  空気くうき激しくはげ  ぶつかり合っあ てプラスとマイナスの静電気せいでんき発生はっせいします。プラスの静電気せいでんき帯びお 比較的ひかくてき軽いかる こおり結晶けっしょう雲の上くも うえのほうに舞いま 上げあ られ、マイナスの静電気せいでんき帯びお 重いおも こおりつぶくもしたのほうにたまります。
 くも大きくおお  なればなるほど電気でんき強くつよ なり、くもしたほうにたまったマイナスの電気でんきは、地上ちじょうのプラスの電気でんき目指しめざ 一目散いちもくさん飛んと でいきます。このとき、とても大きなおお  電流でんりゅう一度にいちど 流れるなが  ので、激しいはげ  ひかり大きなおお  おと出しだ ます。こういうかたち落雷らくらいかみなりの九十パーセントを占めし ています。残りのこ の十パーセントの落雷らくらいは、雲の上くも うえのほうにあるプラスの電気でんきが、地上ちじょうのマイナスの電気でんき目指しめざ 飛んと でいくかたちかみなりです。かみなりにはこのほかに、くもからくも飛んと でいくものもあります。
 かみなりのエネルギーは、くも大きおお さなどによってもちがいがありますが、およそ五まんアンペアにもなります。これは、六〇ワットの電球でんきゅうを八まん以上いじょう灯せとも るエネルギーに相当そうとうします。わっとおどろくほどのエネルギーを一瞬いっしゅんのうちに放出ほうしゅつしているのです。
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 むかしひとは、かみなりを、くもなかにいる魔物まものがあばれているのだと思っおも ていたそうです。かみなり鳴りな 始めはじ たら、そとにはずにいえなか魔物まもの機嫌きげんがおさまるのを静かしず 待ちま ましょう。
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a 読解マラソン集 11番 暑かった夏も u3
 暑かっあつ  なつ終わりお  近づきちか  涼しいすず  かぜ吹きふ 始めるはじ  ころ、よるになるとむしたちのこえ聞こえき  てきます。そんなむしたちの鳴き声な ごえは、あき到来とうらい知らせし  てくれます。
 生まれつきう    日本語にほんご使っつか ているひとは、自然しぜんおと左脳さのう聞きき ます。左脳さのう言葉ことば理解りかいするのうですから、むしおとこえのように聴こえき  ます。これに対して たい  英語えいごなど欧米おうべい言葉ことば使っつか ているひとは、自然しぜんおと右脳うのう聞きき ます。右脳うのう音楽おんがく感じるかん  のうですから、むしおと雑音ざつおんにしか聴こえき  ないそうです。
 コオロギ、キリギリス、スズムシ、マツムシ、ウマオイ、カンタン、クツワムシなど、あき鳴くな むしにはいろいろな種類しゅるいがいますが、大きくおお  分けるわ  とコオロギるいとキリギリスるい分けわ られます。うえからて、右羽みぎばねうえにして鳴くな のがコオロギるい左羽ひだりばねうえにして鳴くな のがキリギリスるいです。「みぎ」という漢字かんじひだり半分はんぶん消すけ とコオロギの「コ」というに、「ひだり」というひだり半分はんぶん消しけ て、たてのぼう少しすこ 伸ばすの  とキリギリスの「キ」というになります。これが覚えおぼ かたです。
 コオロギるいには、コオロギやカネタタキむしがいます。キリギリスるいには、クサキリ、クツワムシ、ウマオイなど、たくさんのむしがいます。どちらの種類しゅるいも、鳴きな ばね持っも ているのはオスだけです。なぜなら、むし鳴くな のはメスを呼ぶよ ためだからです。また、自分じぶん縄張りなわば のオスに知らし せるために鳴くな こともあります。
 コオロギは、「コロコロ」と鳴いな たり、「リーンリーン」と鳴いな たりします。スズムシは、そののとおりすずのように、「リンリン」と鳴きな ます。「ガチャガチャ」とうるさく鳴くな のはクツワムシ。まるでスイッチがオンになったように「スイッチョン」と鳴きな 始めるはじ  のはウマオイ。「リーリーリーリー」と簡単かんたん鳴きな かたをするのはカンタンです。いろいろな音色ねいろ楽しむたの  ことができるあき草原くさはらは、まさに地球ちきゅうのコンサート会場かいじょうです。
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a 読解マラソン集 12番 生きているものには u3
 生きい ているものには、すべて寿命じゅみょうがあります。しかし、生物せいぶつからだ作っつく ている細胞さいぼうのレベルで考えるかんが  と、実はじつ 寿命じゅみょうがないのです。 
 例えばたと  、アメーバは、自分じぶんからだ分裂ぶんれつさせながら増えふ ていきます。栄養えいようがいいと、自分じぶんからだ一部いちぶ分裂ぶんれつさせて、自分じぶん増やしふ  ていきます。
 このアメーバのような増えふ かたをしている生物せいぶつは、たまたま一つの個体こたい死んし でも自分じぶん分身ぶんしん生きい ていますから、死んし だことにはなりません。
 実はじつ 人間にんげんにも、同じおな ようなことが言えい ます。人間にんげんはアメーバのように分裂ぶんれつして増えるふ  わけではありませんが、自分じぶん細胞さいぼう一部いちぶ子供こども伝えつた 生きい ています。だから、子供こどもは、お父さん とう  お母さん かあ  ているのです。 
 このように細胞さいぼう無限むげん生きい 続けつづ ていきますが、人間にんげん個体こたいには寿命じゅみょうがあります。どうして、このような寿命じゅみょうがあるのかはわかりませんが、この理由りゆうつぎのように考えるかんが  ことができるかもしれません。
 例えばたと  、もし何百なんびゃく年間ねんかん壊れこわ ない自動車じどうしゃがあったらどうでしょう。古くふる なって、いろいろ改良かいりょうしたいところがてきても、いつまでもその古いふる くるま乗りの 続けつづ なければなりません。もの壊れるこわ  から、また新しいあたら  ものを作るつく ことができるのです。 
 プラスチックは、人間にんげん人工じんこうてき作っつく たものです。そのプラスチックの特徴とくちょうは、腐りくさ にくいことでしたが、その腐りくさ にくさのためにいつまでも自然しぜんなか残りのこ 環境かんきょう汚染おせんするようになりました。壊れこわ ないものばかりで世の中よ なかができていると、新しいあたら  ものが登場とうじょうできなくなるのです。 
 生物せいぶつています。寿命じゅみょうがあるから、新しいあたら  生物せいぶつ生まれう  、その新しいあたら  生物せいぶつ古いふる 生物せいぶつのできなかったことをできるようにしていくのです。
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 アメーバと同じおな ような生き物い ものにゾウリムシがいます。このゾウリムシは、栄養えいよう状態じょうたいのよいときに自分じぶん分裂ぶんれつさせて増えふ ていきます。しかし、七ひゃくかいぐらい分裂ぶんれつ繰り返すく かえ と、それ以上いじょう分裂ぶんれつはできなくなり、突然とつぜんすべてのゾウリムシが死んし でしまいます。そうならないように、ゾウリムシはときどきべつのゾウリムシと結婚けっこんして、いままでの自分じぶんとは違うちが 新しいあたら  子孫しそん作りつく ます。と言っい てももちろん、ゾウリムシがゲタムシやサンダルムシになるのではありません。ゾウリムシのまま新しいあたら  性質せいしつ入れるい  のです。
 寿命じゅみょうがあるということは、新しいあたら  ものを生み出すう だ 条件じょうけんだと言えるい  のかもしれません。

 言葉ことばもり長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかい(Σ)
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