私たちの身の周りには、細菌、かび、寄生虫など、病気の元になるものがたくさんあります。しかし、私たちは病気の元に出会ったからといって、すぐに病気にかかってしまうわけではありません。なぜなら、体の中には、病気の元になる病原体から体を守るシステムが備わっているからです。このシステムのことを免疫システムといいます。
体の中には、免疫細胞という細胞が何種類もあり、病原体が体の中に入ってくると、それを攻撃してとりのぞく働きをします。これにはいろいろな方法があります。まず、病原体を丸ごと食べてしまう方法です。血液の中には、赤血球と白血球がありますが、免疫を担当しているのは白血球です。白血球の仲間の好中球は、食いしん坊な細胞で、体の中に入った細菌などを食べて消化してしまいます。しかし、好中球だけでは病原体を退治できない場合があります。
風邪で熱を出したときなど、わきの下や首筋がはれて、さわるとぐりぐりを感じる場合があります。これはリンパ節がはれている状態です。このリンパ節は、体のあちこちに約六百個もあります。免疫システムの主役は、このリンパ節と、リンパ節どうしをむすぶリンパ管です。リンパ管の中にはリンパと呼ばれる黄色っぽい透明な液体が流れています。その中には免疫細胞のリンパ球が入っていて、病原体が入ってくると、リンパ節のところで待ち受けて戦いを始めます。
では、リンパ球はどのように病原体と戦うのでしょう。まず、ヘルパーT細胞が、自分の体に本来あるはずのないものが入って来たことに気づきます。そして、攻撃を始めなさいという命令をB細胞に出します。B細胞は、抗体という武器をあやつることができる細胞です。B細胞が作り出した抗体は、効率よく病原体を攻撃することができます。抗体に攻撃されて弱った病原体は、マクロ
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