梅雨の季節をいろどってくれる花に、アジサイがあります。この花は、いろいろな色に変化することで有名で、そのせいか、花言葉には「移り気な心」などというものもあります。そのほかの花言葉、「強い愛情」や「家族の結びつき」は、きっと、小さい花がたくさんあつまって咲いているところからきたのでしょう。
アジサイの花の色は、咲き始めの緑がかった白っぽい青色から、薄いピンク、紫、そしてしだいに濃い紫や藍色に変わっていきます。色がついているこれらの部分は、じつは花びらではありません。葉が変化したもので、「がく」と呼ばれることもあります。本当の花は、このがくの真ん中に、ちょこんと小さく丸くついています。このように花以外の部分が発達して花のようになっている花を装飾花と言います。南国の雰囲気を持つブーゲンビリアや、クリスマスに飾られるポインセチアなども装飾花です。
では、アジサイの花は、どうして色が変わるのでしょうか。
どんな色のアジサイも、その色の素になっているのは、アントシアニンという色素です。この色素は、条件によって、赤い色を出したり、青い色を出したりすることができます。ここで、色の鍵を握っているのが、アジサイが土の中から吸い上げる、アルミニウムという金属です。一円玉は、このアルミニウムで作られています。土の中には、アルミニウムをはじめ、いろいろな金属が目に見えない形で溶けています。これを植物の根が吸い上げるのです。
アルミニウムが多いと、アジサイは青くなります。逆に、アルミニウムが少ないと赤くなります。その中間は紫です。このアルミニウムは、土の性質が酸性だと、土の中にイオンとして溶け出すので、アジサイが吸い上げやすくなります。逆に、土の性質がアルカリ性だと、アルミニウムはアルカリと結びついて塩になってしまうので、アジサイが吸い上げにくくなります。こうして、土の
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