夜空にはたくさんの星が輝いています。しかし、これらの美しい星は永遠に輝き続けるわけではありません。星にも一生があり、生まれたり死んだりしています。ただし、星の一生は人間の一生とはくらべものにならないほど長く、その寿命は人間の一億倍もあります。
宇宙のあちこちには、冷たいガスやチリが集まった暗黒星雲と呼ばれるものがあります。暗黒星雲は、その名のとおり光を持たない黒い雲です。実は、この暗黒星雲の中には星の元になる物質がたくさんあります。何かのきっかけで暗黒星雲が縮み始めると、ガスやチリが集まってうずを巻きはじめます。このうず巻きが星のたまごです。
重力によって更に縮んでいくと、うず巻きの中心部が濃くなり、熱くなっていきます。それは、やがて自ら光を放つようになり、赤ちゃん星が誕生します。冬の夜、肉眼でも見ることができるオリオン座の大星雲も、新しい星が生まれている場所です。星雲の中で、数え切れないほどたくさんの星の赤ちゃんが輝いています。
一人前の星として輝きだした星のその後の運命を決めるのは重さです。太陽ぐらいの重さの星は最も長生きで、百億年ぐらいはそのまま輝き続けます。その後、年をとった星は、ぐんぐんふくらんで大きくなっていき、それにともなって温度も下がるため、真っ赤な色に変わります。さそり座のアンタレスや、オリオン座のベテルギウスは、赤くふくらんだおじいさん星の代表です。これらの星は、昔の姿とはすっかり変わっているので、アンタレスも「あんた誰です?」と言われてしまうかもしれません。
巨大な赤い星は、風船のようにふくらんだりしぼんだりしながら、最後には爆発してしまいます。爆発のあとに残るのは、小さな白色矮星と呼ばれる星です。
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