a 読解マラソン集 1番 高地での生活 i3
 富士山ふじさんたかさは三七七六メートルです。頂上ちょうじょう目指しめざ 登るのぼ ひとはいますが、頂上ちょうじょう住んす でいるひとはいません。しかし、世界せかいには、この富士山ふじさんよりももっと高いたか ところで生活せいかつしているひとがいます。
 高地こうちでは様々さまざまなおもしろい現象げんしょう起こりお  ます。例えばたと  、ケーキやパンがうまく焼けや なくなります。ケーキやパンが膨らむふく  のは、生地きじなか含まふく れる空気くうきあわ膨張ぼうちょうするからですが、高地こうちではこの空気くうきあわ膨れふく すぎるのです。すると、パンの出来上がりできあ  はぼそぼそした感じかん になります。もっと悪けれわる  ば、空気くうきあわ破裂はれつしてぺちゃんこになってしまいます。
 標高ひょうこう高いたか ところでは、ゆでたまごひとつ作るつく にも注意ちゅうい必要ひつようです。普通ふつうなら十二分じゅうにふん程度ていど固いかた ゆでたまごができますが、高度こうどせんひゃくメートルのところでは一分いっぷん長くなが 高度こうど三千さんぜんメートルでは三分さんぷん長くなが ゆでなければなりません。そうしないと、半熟はんじゅくのゆでたまごができてしまうからです。
 変化へんか起こるお  のはケーキやパン、ゆでたまごだけではありません。高度こうど上がるあ  につれて気圧きあつ低下ていかするため、空気くうきちゅう酸素さんそりょう減っへ ていきます。高度こうどせんメートルでは、酸素さんそりょう平地へいち半分はんぶんにまで減っへ てしまうので、ほとんどのひと頭痛ずつうやめまいに悩まさなや  れます。また、高所こうしょでは紫外線しがいせんなどの光線こうせんから守っまも てくれる大気たいき薄いうす ため、皮膚ひふ傷めるいた  こともあります。
 いろいろと注意ちゅうい必要ひつよう高地こうちでの生活せいかつ早くはや 慣れるな  にはコーチが必要ひつようかもしれませんね。

「コーチ、高地こうち生活せいかつって大変たいへんなんですね。」
「ぼくは、もともと高地こうち慣れな ているから大丈夫だいじょうぶだけど。」
「へえ。コーチはどこの出身しゅっしんなんですか。」
高知こうちけん。」

 言葉ことばもり長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかい(Μ)
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a 読解マラソン集 2番 右と左 i3
 かがみをつかっておもしろいことをしてみましょう。あなたのかお正面しょうめんから大きくおお  写っうつ ている写真しゃしん用意よういします。それから、のまんなか、はなくち通るとお かお中心線ちゅうしんせんうえかがみ立てた ます。写真しゃしん半分はんぶんかがみ映っうつ たその半分はんぶんとを合わせるあ   と、片方かたほうがわだけからできた左右さゆう対称たいしょうかおになります。かがみ向きむ 変えるか  と、もう片方かたほうがわでも同じおな ことができます。
 右側みぎがわだけでできたかお左側ひだりがわだけでできたかおとでは、かなりちがった印象いんしょう受けう ます。大きおお さやほっぺたのかたちなど、みぎひだりでは意外いがい大きくおお  異なっこと  ているのです。
 かおだけではありません。ひとからだは、左右さゆう対称たいしょう思えおも ますが、実はじつ 少しすこ ちがっていて、手足てあしながさや筋肉きんにくのつきかたなども同じおな ではないのです。
 ひとがまっすぐに歩くある のは当たり前あ  まえのようですが、実はじつ 周りまわ 景色けしき確かめたし  ながらからだ向きむ をコントロールしています。そのため、視界しかいのきかない吹雪ふぶきのときなど、ただやみくもに進んすす でいくと、弱いよわ あしほう少しすこ ずつ曲がっま  ていってしまいます。そして、長いなが 時間じかん歩いある たあげく、結局けっきょく最初さいしょ同じおな 地点ちてんにもどってしまうこともあるのです。
 内臓ないぞうでは、みぎひだりはもっとちがいます。たとえば心臓しんぞうからだ少しすこ 左側ひだりがわにあります。赤ちゃんあか   くときに、お母さん かあ  自然しぜん赤ちゃんあか   あたま心臓しんぞう近くちか にくるようにきます。赤ちゃんあか   お母さん かあ  のおなかのなかにいるとき、お母さん かあ  心臓しんぞうおとをずっと聞いき ていたので、このおと聞くき 安心あんしんするのかもしれません。
 みぎひだり違いちが は、普段ふだん生活せいかつでも役に立ちやく た ます。例えばたと  野球やきゅうをするとき、みぎ利きき ひとは、左手ひだりてでボールをキャッチし右手みぎてでボールを投げな ます。リンゴのかわをむくときは、左手ひだりてでリンゴを支えささ 右手みぎて包丁ほうちょう動かしうご  ます。人間にんげんからだは、みぎひだり違いちが をうまく生かしい  ているのです。

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 ここで一句いっく
「ウインクを 両目りょうめでしたら ただのまばたき」

 言葉ことばもり長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかい(α)
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a 読解マラソン集 3番 果物を食べるコウモリ i3
 コウモリは、夕方ゆうがた薄暗くうすぐら なってからそら飛びまわると    動物どうぶつです。その黒いくろ かげが、少しすこ 気味が悪いきみ わる ということで、こわがるひともいます。
 しかし、みなみくにには、とてもかわいいコウモリがいます。フルーツコウモリといって、金色きんいろでむくむくしていて、まるでぬいぐるみのようです。コウモリはふつうむしなどを食べた ますが、このフルーツコウモリは、果物くだものはな花粉かふん食べた ます。

 みなみくにには、おいしくて甘いあま 果物くだものがどこにでもたくさんみのっています。マンゴーやパパイヤなど、汁気しるけもたっぷりのみずみずしい果物くだものです。こうしたところでは、コウモリが果物くだもの食べた たね落としお  たり、花粉かふん運んはこ だりすることによって、その果物くだものはな繁殖はんしょく助けたす ています。

 このコウモリはおいしい果物くだものばかり食べた ているので、清潔せいけつでしかもにくあじがとてもよく、地元じもとひとがつかまえて食べるた  ようになりました。
 そこで、コウモリも知恵ちえ使っつか て、お寺 てら広いひろ にわにすむようになりました。どうしてかというと、みなみくにでは、お寺 てらなかにいる生き物い ものは、決してけっ  殺しころ てはいけないという決まりき  があるからです。コウモリたちは、なぜかそのことを知っし て、お寺 てらにすむようになったのです。

 みなみくにお寺 てらにいくと、にわには、野良猫のらねこ野良犬のらいぬがのんびりし、には、金色きんいろのフルーツコウモリがたくさんぶらさがって、これものんびりしています。その様子ようすは、まるでコウモリのかたちをした果物くだものがたくさんみのっているようです。昼間ひるま暑いあつ ので、コウモリたちは、片方かたほうはね使っつか てぱたぱたからだをあおいでいます。
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「コウモリさん、フルーツをどうやって食べるた  んですか。」
「コウ、モリモリ食べるた  んだよ。」

 言葉ことばもり長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかい(λ)
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a 読解マラソン集 4番 働き者の砂糖 i3
 チョコレート、キャンディー、ケーキなど、甘いあま お菓子 かし思い浮かべるおも う   だけで幸せしあわ 気分きぶんになれるひと多いおお でしょう。それらのお菓子 かし作るつく のに大切たいせつなのが砂糖さとうです。しかし、砂糖さとうにはほかにもいろいろな働きはたら があります。

 その働きはたら のひとつに、カビや微生物びせいぶつ増殖ぞうしょくするのを防ぐふせ というものがあります。カビや微生物びせいぶつ湿っしめ たところ、つまり、水分すいぶんのあるところが好きす です。砂糖さとうは、食べ物た もの水分すいぶん周りまわ をおおって、微生物びせいぶつやカビの働きはたら をにぶらせます。ジャムや果物くだもの缶詰かんづめなどがそのれいです。果物くだものはほうっておくと傷んいた だり腐っくさ たりしますが、砂糖さとうとともに調理ちょうりすることで長期間ちょうきかん保存ほぞんすることができます。

 水分すいぶん抱え込むかか こ 砂糖さとう性質せいしつは、生クリームなま    卵白らんぱく泡立てあわだ にも一役ひとやく買っか ています。クリームやたまごたんぱく質    しつ水分すいぶん砂糖さとう抱え込むかか こ ことによって、あわがくずれるのを防ぎふせ 、またあわ同士どうしがくっつくのををおさえてくれます。ふわふわのクリームを作るつく のには、砂糖さとう欠かか せないのです。
 にく煮込むにこ ときにも、その働きはたら 発揮はっきされます。調理ちょうりするまえした準備じゅんびにく砂糖さとうをすりこんでおくと、軟らかくやわ   煮るに ことができます。それは、砂糖さとうにくたんぱく質    しつ持つも 水分すいぶんにくなかにとどめておくからです。

 あまさを作り出すつく だ 調味ちょうみりょうというイメージの強いつよ 砂糖さとうですが、実際じっさいには水分すいぶん結びつきむす   やすい性質せいしつわたしたちの生活せいかつなかでいろいろな役割やくわりをはたしているのです。
 働き者はたら もの砂糖さとうは、えんした力持ちちからも なので、決してけっ  「えっへん!」といばっているわけではありません。しかし、ダイエットをさけぶひとたちからは、かたき扱いあつか されています。「えっ? へん? 一生懸命いっしょうけんめい働いはたら ているのに……。」砂糖さとうからそんなこえ聞こえき  てきそうです。

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「カビくんは、どうして砂糖さとう苦手にがてなの。」
「だって、砂糖さとうってサ、トウっても甘いあま んだもん。」  言葉ことばもり長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかい(σ)
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