タコとイカ。どちらもすがたが似ていますが、いちばんわかりやすいちがいは足の数でしょう。タコの足は八本、イカの足は十本といわれています。ところで、わたしたちが足だと思っているのは本当に足なのでしょうか。実は足ではなく、正しくは腕なのです。これからタコとイカのひみつにせまってみましょう。
タコとイカの祖先は貝がらを持って海に住んでいました。イカの体の中から出てくる甲は貝がらのなごりだといわれています。タコやイカは、長い進化の中で自分の生活につごうのよい数の腕を残し、今のすがたになったのです。
では、タコとイカどちらも近い仲間でありながら、腕の数がちがうのはなぜなのでしょう。実は、タコもイカも腕の数はどちらも同じ八本です。けれども、イカは触腕とよばれる特別な腕を二本持っており、その二本でえものを取るのです。
イカの中には触腕を使わずにえものをとるイカもいます。深海に住むマッコウタコイカは、生まれたときは触腕がありますがすぐに取れてしまい、八本の腕でえものを取っています。わたしたちが足だと思っているものが、えものを取るために使うのだとすれば、足ではなく腕というのも納得できます。
また、タコとイカの体の部位は、他の動物たちと比べると少しちがったつきかたをしています。みなさんが、頭だと思っているところは胴体で、その下に頭が続き、腕へとつながっています。人間がさか立ちしたような状態を想像するといいかもしれません。タコを見ると、たくさんの脳みそがつまっていてかしこそうだなと思うかもしれませんが、あれは胴体なのです。
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