低学年から学力の基礎を作る
幼長、小1、小2、小3の基礎学力をひとつの講座で学ぶ。
読書の習慣、国語算数の勉強、暗唱の学習、創造発表の練習をオンラインで。

         集中できる子に育てる 

 教室に来て、いざ机の前にすわったあとも、なかなか書き出せずに、ちょっと書いては遊び、またちょっと書いては遊び、という子がときどきいます。

 書きなれていないので、書くことがまだ負担になっているということももちろんありますが、それ以上に、勉強全体の習慣として、短時間に集中して取り組むということが苦手なようです。

 この原因として考えられることの一つに、勉強をページ数ではなく時間でしているということがあります。

 低学年のころは、もともと勉強の中身そのものは問題ではなく、要するに毎日決まった時間に机に向かうという習慣ができていればいいのですが、親はついがんばって、いろいろなことをさせてしまいがちです。そのときに、例えば、「算数の問題集は1ページ」というようにページ数で決めていれば、子供も集中して取り組めるのですが、たまに問題が簡単ですぐに終わってしまったときなどに、親がつい「今日は早く終わったから、もう一つこれね」と勉強を追加してしまうことがあるのです。そのときは子供もしぶしぶ追加された問題をやるので、親も一安心で終わるのですが、翌日から子供は「勉強を早く終わらせると、ろくなことがない」ということを学習します。子供が小さいときほど学習は強力なので、たった一度の追加であっても、あとでこの勉強観を修正することはきわめて困難になります。

 追加することと逆の失敗もあります。問題が難しくてなかなか終わらないときなどに、親がつい「もう、こんなに長い時間やったから今日はおしまいね」としてしまうことです。こういうことが続くと子供は、「時間がくれば終わりにしてもいい」ということを学習します。この学習はそれほど強力ではありませんが、何度も続けていると、やはり子供の気持ちにしっかりと定着していきます。このような状態にしないためには、問題に時間がかかりそうなときは、親が手伝ってでも形の上で全部やりとげてしまう方がいいのです。もちろん、時間がかかっても子供自身の力で最後までやらせるということもできます。教室でたまに、子供たちが、宿題がなかなか終わらなくて夜中まで勉強をしたなどと言っているのを聞くと、そういうケースはときどきあるようです。しかし、こういうかたちで原則を貫くことは、子供にとっては少しかわいそうです。勉強の原則を守ることは大切ですが、それよりももっと大切なことは楽しく明るい気持ちで毎日を生きていくことですから、課題が子供の手に余る場合は、親が手伝ってあげればいいのです。

 勉強を時間ではなく分量で決めるようにすると、試行錯誤を繰り返しながらも、親も次第に、どの程度の分量なら無理なくできるかということを学んでいきます。しかし、勉強を時間で決めると、取り掛かりは簡単ですが、密度の濃い勉強をするということはなかなかできません。


 子供に勉強に対する集中力をつけるために、勉強が終わったあとの態度も大切です。苦労してやっと勉強が終わったときに、更にそれに追い討ちをかけるように「こんなに時間がかかったじゃない。どうしてもっと早くやれなかったの」などと怒り直す親もいるようです。怒りたくなる気持ちはわかりますが、ここで怒ってしまうと、子供にとっては、勉強を始める前にも怒られ、している最中も怒られ、やっと終わったと思ったら怒られで、立つ瀬がありません。勉強が終わったあとは、それがどのような終わり方であっても、親はぐっとこらえて、「無事に終わってよかったねえ。じゃあ、このあとたっぷり遊びなさい」と優しく言ってあげることが大切です。

 スポーツなどでも、なかなか強くなれないチームは、試合で負けたあとにコーチがすぐに怒るというところが多いようです。「なんで負けたか、グラウンドを10周したあと、よく反省しろ」などと大人が怒りにまかせて指導していては、子供たちは上達しません。  勉強も同じです。低中学年のころの勉強は、勉強の習慣さえつけばいいのですから、決まった時間に始めて、集中して終わらせ、終わったらたくさんほめるということを、毎日例外なくやっていくことだけでいいのです。


 もう一つ、子供に集中力をつけるために、勉強以外の遊びのさせ方も大事です。

 幼児期に子供が何かの遊びに集中して取り組んでいるときがあります。そのときに、親が自分の都合で「もうご飯の時間だから、遊びはいったんやめなさい」と言ってしまうことがあります。これが実は子供の集中力の成長を阻害する大きな原因になります。だれでも熱中しているときは食事のことなど忘れるのですから、生活に支障がないかぎり、ご飯の時間を後回しにしてでも、子供の熱中している遊びをそのまま続けさせた方がいいのです。しかし、もっといいやり方は、遊びを始める前に「○時ごろになったらご飯だからね」とあらかじめ軽く言っておくことです。このように子供自身に終わりが予測できるようにしておくと、好きなことを中断させられたという意識なく、自主的に遊びを切り上げて食事をするということができるようになります。

 しかし、そのようにして集中力のある育てられ方をした子は、低学年のうちは学校生活になじめないこともあるようです。図工などの時間でも自分が納得するまで取り組もうとするので、みんなのペースと合わないということが出てきます。しかし、これも高学年になり社会性ができてくると自然にみんなのペースも考慮できるようになってきます。

 子供が熱中しているときは、話し掛けたり、用事で中断させたりしないで、静かに温かく見守ってあげることが大切です。



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