題名 | 褒めることが子供を伸ばす 102 |
名前 | Cynthia |
時刻 | 2006-01-06 11:53:22 |
人気メルマガ「親力で決まる子供の将来」が本になりました。『「親力」で決まる!』(親野智可等著)です。子供の学力を伸ばすために日常生活の中でできる工夫について書かれている前半部分も、なるほどと思うことが多く、非常に参考になるのですが、後半の、褒め方のテクニックについて書かれた部分は、それ以上に一読の価値があります。そのテクニックをいくつか紹介したいと思います。
まず、具体的に褒めるということ。一緒に生活していれば褒める材料はどこにでも転がっているはずです。早起きができた、お手伝いができた(食器を運ぶなど、ちょっとしたことでよいのです)、弟の面倒を見たなど、普段は見過ごしてしまうようなことを一つずつ取り上げ、具体的に褒めることが子供の自信につながります。もちろん、これは作文指導にもあてはまります。作文が得意な生徒も得意でない生徒も、とにかくいいところを見つけて褒めてあげます。このとき、字がていねい、名前や数字がくわしく書けた、たとえがすばらしいなど、どこがよかったかを具体的に示すことが大事なのです。実は、私も最初のうちは、低学年でない生徒に「名前や数字がくわしく書けたね。」などと褒めることに少し抵抗を感じていました。でも、一つでも具体的なところを挙げて褒めると、子供の顔が輝き始めるのです。そして、自信をつけた子供はぐんぐん伸びていきます。 次に、第三者も褒めていたと伝えること。これは、叱るときには絶対に使ってはいけない方法です。(笑)幼い子供は、親がほめるだけでも十分ですが、成長するに従って、子供は少しずつ社会の中での自分の位置というものに関心を示すようになります。そんなとき、周囲の人も褒めていたと伝えることで、子供の自信は確かなものになります。また、その第三者と子供との関係を一気によくする効果もあると筆者は指摘しています。 さらに、その子の思い入れの大きいことを褒めること。子供に限らず大人でも、自分の好きな分野、得意な分野を褒められたときに大きな喜びを感じるものではないでしょうか。しかし、筆者は、「子供がいちばん思い入れの大きいことを褒められることはあまりない」と言っています。それは、「子供が熱中することと大人の期待することは、ほとんどの場合全く別物だから」なのです。たとえば、電車が大好きな子供の場合、作文を書かせてみたら、電車の名前ばかりが並べられていたということがよくあります。そんなとき、多くの大人は、電車の名前をくわしく書くことよりも会話やたとえを入れて、もっと情緒的な作文を書いてほしいと思ってしまいます。でも、大人の価値観を離れ、子供の得意分野に目を向け、そこを褒めてあげるのです。話が大きくなってしまいますが、一つのことに夢中になれる能力は人生を切り開く能力につながります。自分の抱いた夢に向かって迷いなく進んでいかれる力の芽を摘んでしまうのはあまりのも惜しいことです。 子供の成長を支える親にとって大切なことは、子供の優れている面に目を向け、その部分を引き出し、広げることだと思います。そのためにも、まずは褒めること。欠点を指摘するのは、長所を伸ばしてからでも間に合います。でも、長所が伸びるころには、もう欠点はその長所に覆い隠されてしまっているかもしれません。 |