●総合 91 点 

字  数 1200 字 思考語彙 66 点  (23 個)
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-0--0--0--0--0--0--0--0--0--0--0--0--0--0--0--0-
00-02-04-06-08-10-12-14-16-18-20-22-24-26-28-30-
知識語彙 80 点  (74 種)
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-0--0--0--0--0--0--0--0--0--0--0--0--1--1--1--1--1-
00-09-18-27-36-45-54-63-72-81-90-99-08-17-26-35-44-
 表現語彙 92 点  (160 種)
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-0--0--0--0--0--0--0--1--1--1--1--1--1--1--2--2--2--2-
00-15-30-45-60-75-90-05-20-35-50-65-80-95-10-25-40-55-

点数はほかの人の点数との関連で毎日少しずつ変わります。
棒グラフは全作品の分布で、濃い部分は当作品の位置です。 をクリックすると、最新のデータをもとに再計算されます。

【総評】 点数はそれぞれの級の合格ラインの目安です。 20080901 改訂
12級11級10級9級8級7級6級5級4級3級準2級2級準1級1級
総合52点~59点~62点~64点~69点~72点~74点~78点~81点~86点~88点~90点~91点~92点~
相当学年小1小2小3小4小5小6中1中2中3高1高2高3大社大社
合格率95%95%90%90%85%85%80%70%60%50%40%30%20%10%
思考語彙34点~35点~36点~37点~40点~43点~50点~52点~55点~62点~65点~67点~70点~73点~
知識語彙40点~41点~42点~43点~47点~49点~52点~56点~60点~65点~70点~78点~85点~90点~
表現語彙46点~48点~50点~52点~56点~57点~58点~62点~65点~71点~73点~80点~86点~91点~
思考語彙:意見や説明を書く力/知識語彙:難しい言葉や漢字を使う力/表現語彙:多様な実例や表現を書く力
 
  
思考語彙66




























































92
知識語彙80
△上の三角形の高さは思考語彙
▽下の三角形の深さは知識語彙
三角形の横の長さは表現語彙
○円の大きさは字数
(円はひし型の後ろに隠れている場合があります)。
【文体】
 ◎文の流れがリズミカルです。
 ○文章の中心がよくしぼられています。
 百字を超える文1ヶ所(-1点)
 ▲108字 しかし、「人は食べるために生きるのではなく、生きるために食べるのである。」という言葉があるように、ただ明るくなることやただ空腹が満たされることが目的なのではなく、心を通わせることのできる「文化的」な空間が大切なのだ。
【語彙バランス】
 説明に比べて、素材がやや多い文章です。(-0点)

△三角形の高さは思考語彙、▽逆三角形の深さは知識語彙、
△▽の底辺は表現語彙、○円の幅は字数。

【文リズム】  (一文中の文節的語彙群の数) ~6個 7~10個 11~14個 15~18個 19個~

110802040808051311131008080407090713142010131711211014


【文の長さのグラフ】 -20字短い文 21-40字やや短い文 41-50字中ぐらいの文 51-70字やや長い文 71字-長い文
41 いる。
34 たい。
18 うか。
15 れる。
34 とだ。
42 らだ。
23 質だ。
64 うか。
36 うだ。
47 思う。
45 じる。
38 のだ。
32 じる。
18 から。
34 とだ。
34 んだ。
44 った。
59 思う。
52 のだ。
88 ある。
40 ろう。
45 動だ。
60 のだ。
47 ある。
108 のだ。
40 たい。
59 たい。
108
88
64
60
59
59
52
47
47
45
45
44
42
41
40
40
38
36
34
34
34
34
32
23
18
18
15

【最長の文】 (最長の文は、文章全体の特徴を表しています)
しかし、「人は食べるために生きるのではなく、生きるために食べるのである。」という言葉があるように、ただ明るくなることやただ空腹が満たされることが目的なのではなく、心を通わせることのできる「文化的」な空間が大切なのだ。 (108字)
 

【本文】
「火っていいね。」
うちの母は最近、家でろうそくを家族と囲むたびにそう言っている。私は、暖かな火の下、人とのつながりを深めていくような生き方をしたい。そのためにはどうすればよいだろうか。ここで二つの方法が挙げられる。
 その方法は第一に、家庭で明かりを灯してつながりを深めていくことだ。まず家庭というのは、一家というもの自体がまるで数珠のように一つになったものだからだ。先代から受け継いできた文化こそ、一家の本質だ。例えば私のように、停電時や祝儀とまではいかなくても家族で楽しみたいときにろうそくを灯すと話が弾んだ経験はあるのではないだろうか。一方、米国ではこのように一家で火を囲む経験のない若者が増えているそうだ。恐らく所謂「外食」が普及したからだろうが、そう考えてみると食と火は常にすぐそばにあったと思う。個人的な話だが、私も家族と一緒に食事をするのは大好きで、一人でも欠けると物足りなく感じる。そのようなときになって私は、一家でそろうことの幸せを無意識に望んでいるのだ。日本の若者にも、この幸せを受け継いでいってほしいと、私は感じる。それが家族結合であり文化なのだから。
 また第二の理由としては、火によって友人との関りを親密にすることだ。たとえば私も、小中学校で一回ずつ、八ヶ岳に校外学習に行き火を囲んだ。小学校のときはろうそくだったのだが、どちらにせよ人類学では「文化的」といえるものだった。これは日本国憲法第二十五条の単なる訳語ではなく、長い間受け継がれてきたものとして人間だけが扱えるものが火なのだと思う。少なくとも火に当たると、人間としての自己同一性が確認でき、心が解きほぐれて周囲に本音がぶつけられるのだ。もちろん日本的な言語を介さない以心伝心のやりとりもあるが、そうして火を囲む文化的な経験を通じ人は成長し、自らの未来をたくましく生きていくことができるということが大切なのである。ルソーは、「自然に帰れ」といったが、まさにそれが火を通じた交歓と等しいのだろう。人は自然を味わい楽しむ火を「余裕」と言っているが、しかし、まず必要なのはこの交歓や感動だ。なぜなら、これらの火を通じた交歓は近代にできた一過性の文明の利器と違い中世、いや古代から続いてきた重みがあるからなのだ。
 確かに、合理的に電灯の下、電化製品を使って空腹を満たすことができればよい、という意見もある。しかし、「人は食べるために生きるのではなく、生きるために食べるのである。」という言葉があるように、ただ明るくなることやただ空腹が満たされることが目的なのではなく、心を通わせることのできる「文化的」な空間が大切なのだ。だから私は、暖かな火の下で、人と人とのつながりを深めていくような生き方をしたい。これから私は、合理的な考えではない非合理的なものの美点を発見し、今までの火の文化を未来への創造の原動力へとつなげたい。

原文   森リン ベスト5