マスクをしっかり着用する人や、マスクが不足している地域の人に医療関係の色々なアイテムを寄贈する人、三密を避けて行動する人や、不要不急な行動は自ら慎んでいる人。 （79字）

　

　この世の中には助けの手を颯爽と差し伸べられる人が沢山いる。新型コロナウイルスによる自粛期間中、たくさんの手助けをニュースで見た。マスクをしっかり着用する人や、マスクが不足している地域の人に医療関係の色々なアイテムを寄贈する人、三密を避けて行動する人や、不要不急な行動は自ら慎んでいる人。そして、その生活を支える為に様々な貢献をしている人々。私はそういう話を知るたびにとてもありがたいと感じるし、心が暖かくなる。
　確かに、手助けは他人の心を暖かくする。前、私が数学の宿題がどうしても解けなかった時に、親友が大切な朝の時間を割いてまで説明してくれた。時間があまり無いのに、答えだけでなく、解き方をかみ砕いて説明してくれた為、とっても分かりやすかった。答えを言ってもらって写すだけではなく、解き方もおかげで私は全てを理解した上で宿題を終わらせることができた。その時には、親友にとても感謝したし、心が暖まった。他人の手助けをすると助けられた方も、助けた方も、心が暖まるものだ。
しかし、手助けが他人の邪魔になることもある。貧しい国の人々を助ける方法は、金銭的な援助がまず頭に思い浮かぶだろう。なぜなら、お金はその日を生きる為の一番重要な要素だからだ。
　しかし、金銭面オンリーでなく、生活していく術も学んでもらった方が良い、という話を聞いたことがある。それは、明日を生きる為にはお金を稼がなければいけないという世の中の常識があるからだ。つまり、今だけ幸せになれる、マッチ売りの少女が売っているような魔法のマッチ棒よりも、長く幸せが続く普通の野菜の種の方がより効果的だということだ。この時、マッチ棒はありがた迷惑になってしまう。マッチ棒で手に入れた幸せは即効性があり、夢だと思っていたようなことが一瞬でノンフィクションに変わるが、それは刹那の儚いものだ。反対に、種には無尽蔵の希望や可能性が秘められており、最初は辛くても、時間をかければ何倍にも変化する。もし何も考えずお金ばかり渡していたら、その人は、お金とは働かなくても誰かがくれるものだと勘違いしてしまうかもしれない。もしもそうなってしまったら本末転倒だし、その人の将来的にも良くない。
　このように、手助けは他人の心を暖かくすることも、他人の邪魔になることもできる。「多すぎる休息は、少なすぎる休息と同じように疲れさせる」という名言もあるように、過ぎたるはなお及ばざるが如しだ。最良な手助けなんてケースバイケースだし、相手の気持ちを正確に慮るのはとても難しいことだ。その中で一番大切なのは、気持ちだと思う。私は、相手を思いやる優しい気持ちを持っていれば、その手助けは成功だと感じる。手助けの時の思いやりの心意気は、手助けの内容と同じぐらい、いや、それ以上に大切なのではないだろうか。