しかも一生が短いから、その間に抵抗性のないものが死に絶え、抵抗性のあるものが生きのこり、ハエの群れがすべて、抵抗性のある個体に入れ替わる結果になります。 （76字）

　

　寿命はヒトを平均六十五年とすればイエバエはわずか二週間です。ハエが短い期間に大量の卵を産むことには、大きな意味があります。それは、遺伝にかかわる問題が、短い間で効果的に片付くことです。しかも一生が短いから、その間に抵抗性のないものが死に絶え、抵抗性のあるものが生きのこり、ハエの群れがすべて、抵抗性のある個体に入れ替わる結果になります。ハエは、助走も加速もせず、ある場所に自由に止まり、自由に飛び出すことができます。
　私が一番びっくりしたのは、ハエは人間より小さいのに、運動能力や子孫の残し方はすぐれていることです。小さいからと言ってなめたらいけないなぁと思いました。
　私が以前、校庭で遊んでいたら横から人がすごいスピードで走ってきました。「やばい」と思って止まろうとして、急ブレーキをかけて、一応止まれたけど、人が通り過ぎた後に前のめりになってこけそうになりました。
もし、運動会のかけっこのゴールに壁があったら、みんなが壁にぶつかって大けがをしてしまうなぁと思いました。また、もし「ゴールに一番速く着いて、ぴったしに止まった人が一番」、というルールがあったら、ハエではないと一番になれないなぁと思いました。ハエの運動力は、人間にはとても真似できないことが分かりました。
　母は、高校一年生の時に、ショウジョウバエハエの繁殖の観察をしたそうです。ハエを二十匹くらい飼って、バナナに卵を産ませました。ハエの、眼の色と、翅の様子を調べ、遺伝で、よいものが残るのかを調べました。ただでさえハエは気持ち悪いと感じるのに、それを何十匹も飼うなんて、いやだ、と思いました。しかも、母はバナナのにおいが嫌いなので、二重に嫌だったそうです。そして結果は、その通りに、眼の色が正常で、翅も、きちんと飛べるものが多く残ったそうです。
　私は、ハエの運動神経は、まるでバッタのようだなぁと思いました。バッタは、四センチぐらいの体長なのに、一メートルぐらい飛ぶからです。その運動能力と、人間の知能を組み合わせれば、最高の生物ができあがるのかなぁと心の中で思いました。