事前に過去の箱根駅伝の写真をインターネットで調べると、応援のため多くの人が沿道にあふれていることがわかり、早めに家を出ることにした。 （67字）

　

　近年は、お正月でも気温が高めで、暖かく感じることが多くなった。今年も暖かかったので、思い切って箱根駅伝を応援しに行くことにした。二〇二〇年一月三日、人生で初めて箱根駅伝を生で見た。
　事前に過去の箱根駅伝の写真をインターネットで調べると、応援のため多くの人が沿道にあふれていることがわかり、早めに家を出ることにした。応援できる場所まで行くと、交通規制が始まっていた。しばらくすると、ヘリコプターが上空を飛び始めた。選手が到着するまでまだ時間があり、立って待っていたのだが、天気が良かったのでだんだん汗ばんできてしまった。その後、白バイに先導されながら選手が目の前に現れた。いちばん驚いたことは、前だけを見て一目散に駆け抜けていったことだ。まるで先導している白バイに引き寄せられているようだった。選手を見て私は、涙が目に浮かんできた。道路の反対車線には車が走っており、その横を人が走って通過する様子は、異様だった。日常ではあり得ない光景だからだ。もし、私が選手だったら、孤独で精神的に参ってしまいそうだ。沿道の人たちは、
「頑張れー。」
と、旗を振りながら次々に声をかけた。テレビで見ていたときには声援はマイクで拾いきれていなかったが、実際にはかなり大きな声で遠くからでも応援しているのだと知った。
　箱根駅伝は、一九二〇年に四大校駅伝競走の名称で始まった。オリンピックに出場する選手も輩出している大きな駅伝だ。
　箱根駅伝が百年も続いていることに驚いた。それだけ長い間、箱根駅伝が続いているのは、交通規制に協力してくれた方々や、沿道からの声援などの支えがあったからだ。道路が渋滞しながら、車の窓を開けて、
「頑張れー。」
と、車内から拍手をしながら応援している人もいた。今年は復路しか応援できなかったが、来年は往路も応援したい。