もし私が自分の好きなように開発していいと言われても、景観を確保しつつ、利便性を求めることは難しく、利用者のニーズに合った開発をすることになりそうだ。 （74字）

　

　十一月下旬に久しぶりにみなとみらいに行った。そこで驚いたことは、桜木町駅前に高い建物が立ち並び、まるでドミノのように倒れてきそうだったことだ。そばには日本初の都市型ロープウェイの建設を知らせる看板があった。以前は広々としていた道も狭くなり、隙間を縫うように歩くのには違和感を感じた。前回桜木町に行ったのは二月だったが、そのときよりも新しい工事が始まっていた。
　二〇二〇年二月、桜木町にあるカップヌードルミュージアムに女子グループ一〇名で行ってきた。二月にも関わらず、あまり寒くなく晴天で駅から歩いて二〇分くらいかかってしまったが、ちょうど良い散歩になった。本来ならもっと早く到着できるのだが、ある女性が、
「こっちから行けるよ。」と自信満々に行ったので、それに従ったらかえって遠回りになった。目的の場所よりも離れた所に出てしまい、戻ることになった。館内に到着してからはオリジナルカップヌードルを作った。その場でスタッフにどのスープにするか、具材は何を入れるかを伝えて完成した。消費期限は一ヶ月で通常のものより期限が短い。できあがったカップヌードルをみんなで見比べてみると誰一人同じ内容の人は居らず、世界に一つだけのカップヌードルが出来上がった。
　二〇二一年三月には日本初の都市型ロープウェイができるとのことで、工事が行われていた。朝日新聞デジタルによると、桜木町駅前から運河パークまでをゴンドラが行き来するとなっている。ロープウェイと言えば横浜博覧会でもあったことを思い出した。それは一九八九年に横浜開港一三〇年の節目に開催された。
　桜木町には高校生の頃からよく行っていた。当時は駅前には高い建物がなかったので横に広がってゆったりと歩け、開放的で空が遠くまで続いているのがよくわかった。しかし、年月が経つにつれて高層ビルが建ち並び、空の景色を遮っていた。この二〇年ですっかり景色が変わってしまった。私にとっては空がよく見えることが一番贅沢なことだと感じるが、他の人にとっては買い物などがしやすいことも求められているようだ。もし私が自分の好きなように開発していいと言われても、景観を確保しつつ、利便性を求めることは難しく、利用者のニーズに合った開発をすることになりそうだ。