短距離に所属したため、普段はリレーとハードルを練習していたが、冬は体力作りとしてマラソンやミニハードルを使ったフォームの矯正、なわとびを使ったランニングなど冬仕様のメニューになった。 （91字）

　

　中学一年の冬、制服の中にセーターを着るようになるくらい寒くなると、半袖の体操着で運動するのがおっくうになる。私が所属していた部活は陸上部で、冬の練習は寒さとの戦いだった。冬はどんよりと曇った天気が多く、走ると更に体感温度が低く感じた。
　地元の公立中学だったが徒歩二五分もかかり、それだけでも疲れたが、走ることが好きで友達と一緒に陸上部に入部した。短距離に所属したため、普段はリレーとハードルを練習していたが、冬は体力作りとしてマラソンやミニハードルを使ったフォームの矯正、なわとびを使ったランニングなど冬仕様のメニューになった。屋外なので寒かったが、記録を計る時だけは半袖にならなくてはならず、寒くて体が思うように動かなくて風邪を引きそうだった。友達と、
「ああ、寒ーい。」
と何度も言いながら、自分の腕を組んで手のひらで二の腕をさすって体を温めようとした。だが、それくらいでは全く体が温まらず、小刻みに足踏みをして体温を維持した。雨の日だけは校舎の中の廊下を走ったり階段の上り下りをやったりしたが、それ以外の時は常に屋外で練習した。普段の練習では短距離の記録はあまり速くなく、競争するのが恥ずかしかったが、冬の練習では競争がないため気楽に練習に参加できた。基礎練習を繰り返すのが好きで私には合っていた。
　ならスポアスリートクラブのホームページによると、冬は十一月頃から四月頃まで試合がなく、オフシーズンになるとのこと。冬季練習とも言われ、走り込みや筋トレ、補強などを行うそうだ。
　小学校でも冬は持久走やなわとびで体力作りをするなど集中的に体力作りや基礎練習に費やした。今年は暖かく過ごせ、冬の寒さを我慢しながら走っていたことが信じられない。今なら走っても寒さとの戦いにはならない。運動に限らず集中的にスキルを身につけることの共通点は、学校では夏休みなどの長期休暇で予習や復習をするのに適した時期であることだ。勉強も運動も共通点があるとわかった。