《木のマーク》「夕焼け小焼けの赤とんぼ、とまっているよ、さおの先。」 ぼくは、池の上を飛び回るアキアカネをながめながら、赤とんぼの歌を口ずさみました。 （75字）

　

《木のマーク》「夕焼け小焼けの赤とんぼ、とまっているよ、さおの先。」
ぼくは、池の上を飛び回るアキアカネをながめながら、赤とんぼの歌を口ずさみました。
「アキアカネが山からおりてくると秋になった印だよ。」
以前、ぼくの知り合いのおじさんが教えてくれました。アキアカネは初夏にう化して、夏はすずしい山ですごして、秋になると里におりてきて田んぼや池で産らんするそうです。
《葉っぱマーク》ぼくはエゾトンボの中ではアキアカネが好きです。特にオスとメスが交尾をして一緒に飛んでいるときは、いつもより飛ぶスピードが速くなります。《花マーク》その姿はまるでフィギヤスケートのペアがどんどんスピードを上げて空をすべっているように見えます。けれど、トンボの中で一番好きなのは、ギンヤンマです。なぜならギンヤンマは時速七十キロで飛ぶからです。それに比べてオニヤンマは日本最大のトンボですが、時速は六十キロです。
　先月、埼玉県のこま川で遊んだとき、ヤゴを見つけたので育てることにしました。図かんで調べてみるとオニヤンマでした。えさは冷凍の赤虫で、食べさせるときは赤虫が生きているようにゆらさないと食べてくれません。ヤゴがえさを食べるときは、ものすごい速さでおりたたんでいたアゴをのばしてエイリアンのように赤虫にくいつきます。オニヤンマのヤゴは二から四年もの間、水の中で生活するそうです。ぼくのかっているヤゴはまだ三センチくらいなので、成虫になるまで何年かかかりそうです。《花マーク》ヤゴも、
「こんなくらしは、いヤーゴ。」と静かに土の中にもぐっていきました。
　《リンゴマーク》ぼくはまだオニヤンマやギンヤンマやアキアカネのたまごを見たことがありません。だから、今度たまごを見てみたいなあと心の中で思いながら、池に産らんするアキアカネをじっと見ていました。