醤油を入れすぎたのならばご飯にとても合うシュウマイとし、シュウマイの皮が破れてしまったのならば水で破れてしまった所をつなぎ合わせ、焼きすぎたのならば焦げたところが見えないように置く等というように、臨機応変な母にとても感謝した。 （113字）

　

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十分から十五分ほど蒸すと、『お家でカンタン♪シンプルシュウマイ』の出来上がりである。隠し味でエリンギを少し加えると歯ごたえが良く、とてもお勧めである。
　私は最初にこのレシピを知った時、こんなにも簡単にお店で売っているようなシュウマイが出来るのかと、思わずへぇ～と感嘆の声を漏らしてしまった。しかし、いざ実際に作ってみると、意外と苦戦するところがある。醤油を入れすぎたり、シュウマイの皮が破れてしまったり、焼きすぎて焦げてしまったりと失敗もあるが、それも全て母がフォローしてくれた。醤油を入れすぎたのならばご飯にとても合うシュウマイとし、シュウマイの皮が破れてしまったのならば水で破れてしまった所をつなぎ合わせ、焼きすぎたのならば焦げたところが見えないように置く等というように、臨機応変な母にとても感謝した。艱難汝を玉にしている人とは、まさに母のことを指しているのだなぁとも思った。何故ならば、母はインドネシアにいた頃は食べ物が豊富でなかったために、食べたいものを一から作らなければならなかったので工夫する力が備わったのだと私は思う。
　母は、毎日料理をしているので母が大学生の頃のことを話してくれた。母はイタリアへ旅行に行った時、パスタとバルサミコソースサラダにはまってしまい、日本に帰国した後も家で塩辛クリームパスタやバルサミコソースサラダを作ってみたが、家族には不評だったそうだ。私はそれを聞いて「そりゃそうだ」と、母の家族の肩を持った。何故ならば、バルサミコソースサラダならともかく、イカの塩辛クリームパスタなど食べたくもないからだ。母の家族も、塩辛をご飯に乗せて食べるのは好物だったが、パスタなどというオシャレな食べ物と一緒に食べるのには反対していたそうである。
　今の私はイカ墨や塩辛を食べるのを嫌っているが、そのうち私も「美味しい、美味しい」と食べる日が来るのだろうか。今の私はイクラやウニも食べられないが、これらもいつか私の胃袋の中に収まる日が来るのだろうかと、まるでロダンが作った「考える人」の銅像のように私は考えた。だが、それも私の味覚と時間が解決してくれるだろうという結論に至った。母も言っていたけれども、子供の舌はとても敏感なので食べられないものが多く、大人になるにつれて舌が衰えていくので何でも食べられるようになるそうだ。
　私はこの作文を書いて、料理とは日常に欠かせないものであり、また、とても貴重な体験なのだという事が分かった。私はこれからも母の下で腕を磨き、美味しい料理を作れるようになりたいと強く思った。親の意見と茄子の花は、千に一つの無駄もないということわざがあるように、肉の魔術師、料理の師匠である母の忠告はしっかり聞いて心に刻んでおこうと誓った。
「ネチャッネチャッ、ジュージュー」という音が耳を離れない。