私はその対策を日々考えていたが、「初心忘れるべからず」ということわざを日々思い出したり、何を持っていこうかなあと考えたりして「楽しみだなあ」という気持ちを日々大きくすることにした。 （91字）

　

　一歩外に出ると、澄み切った青い空の清々しい空気と鳥のさえずりは、風情を感じるなあと思ってしまう。元々、ドイツは自然が豊富なのに加えて春という素晴らしい（花粉症の人にとっては最悪の）季節であり、風情を感じることに決まっているのである。そのような季節には川のほとりでのんびりするのも良い。
　私の今の目標は、来週の日曜日の午前中までにあと七十時間勉強して来週の日曜日の午後に、ライン川のほとりで父とテントを張ってダラダラすることである。計算上では、一日に八時間以上勉強すれば確実にダラダラできるが、やはり一週間もすれば最初の頃の意気込みも忘れて、ダラダラと勉強をし、結局遊べなかったという顚末になるであろう。
　私はその対策を日々考えていたが、「初心忘れるべからず」ということわざを日々思い出したり、何を持っていこうかなあと考えたりして「楽しみだなあ」という気持ちを日々大きくすることにした。
　このように報酬がある勉強は、私だけではなく人間にとってもモチベーションを保ち、やる気を起こさせる効果があり、目標を達成するための作戦としてはとても有効である。私が試した結果、やる気が起きない時は取りあえず机に座ってみたり、五、四，三，二，一，〇とカウントダウンをしてみたりするのがお勧めである。
　母の目標は、コロナ禍で運動もせず毎日食べてばかりで数キロ太ったので、ダイエットを一カ月間続けることだそうだ。私が見たところによると、コロナ禍で太ったのではなく、ドイツに来て太ったように見える。日本にいる時よりも明らかに食べ過ぎている。ヨガを毎日欠かさずやり、お酒を控え、なるべくヘルシーな食事をとる計画だそうだが、私の意見としては、きっと三日坊主になるのだからやるだけムダ（絶対に本人には言えないが）だと思う。しかしながら、本人はやる気らしいので「頑張ってね」としか言いようがない。私の知っている限りの母は、ダイエットをしようと決めても十中八区は挫折しているのだが、果たして今回のダイエットは成功するのだろうかと疑義の念を抱いた。
　私はこの作文を通して、目標というものは人間の人生にとってとても大切な物であり、その目標を達成するために努力をすることも貴重な経験だという事が分かった。母のダイエットは成功することを願うが、九分九厘挫折するので成功しなくてもまるで萎れた花のようには落ち込まなくても良いと思う。
　私も、来週の日曜日に向けて七十時間の勉強を達成しようと心に決め、気を引き締めた。窓の外では鳥が歌を歌っている。