総合 99 点(上位1%以内)

字数 979 字 【文体】
 ○文の流れが自然です。
 ○文章の中心がよくしぼられています。
 △文の長さの平均がやや長めです。
【語彙バランス】
思考力 62 点
知識力 66 点
表現力 63 点
規定の字数(1200字)よりも短い文章は低めに評価されます。小論文として採点しているため語彙間のバランスも評価に入れています。

 【本文】
今日、社会問題として話題となっているものに「グレーゾーン金利」が挙げられる。
グレーゾーン金利とは、罰則の無い利息制限法の上限は超えるが、罰則のある出資法の上限には満たない金利のことを指す。
高利貸金融会社、つまりサラ金会社がこの法的にも曖昧であるグレーゾーンを狙い、高額の利息を得ていることが問題となり、廃止するか否かで討論されている。

では、グレーゾーン金利は廃止する必要があるのだろうか。
私は廃止する必要があると考える。
なぜならば、廃止することによって違法な利息を取る金融会社が倒産し、多重債務に苦しむ人が減少するからである。
ここ数年の間で、多重債務を苦にした自殺者が増加しているという事実もある。
なぜ、法に反することを行っている会社は取り締まられることもなく悠々と活動しているのに、誠実に生きている一般人が法に守られずに命を落とさなければならないのだろう。

そもそも法律というものは、人々が快適かつ安全に毎日を過ごすために作られたものである。
本来は人を守る立場にあった利息制限法や出資法が、いつのまにか闇社会によって人に脅威を与えるようになってしまったのだ。
闇社会は、法律の思わぬ盲点や欠点をつき人々を襲ってくる。
そのため、このような邪(よこしま)な社会を作っているグレーゾーン金利は、一刻も早く対策をとることが肝心である。

しかし、そうすることにより新たに起こる問題もある。
金利を下げるということは、金融会社から資金を借りる際の審査が厳しくなり、借りることの出来ない人が大勢現われるということを意味している。
その結果、サラ金会社に頼らざるを得なくなるのである。
それでは解決とはいえないだろう。

ここで見なければならない本当の問題は、資金を返済できるあてもないのに安易な気持ちで資金を借りてしまうことである。
いくらグレーゾーン金利を廃止したといっても、計画性や信頼性に欠けていれば多重債務はなくならないだろう。
ただ単に廃止するのではなく、廃止した後に連鎖的に起こる金融会社の倒産や、そこに勤めている人の生活の保障、多重債務者への知識の指導さえも考えた上での適切な決断が政府に求

められている。
そして自分は大丈夫などという考えは捨て、自ら進んで法律への関心を持ち、ある程度の法の知識を得ることが国民に求められている。