総合 94 点(上位1%以内)

字数 997 字 【文体】
 ○文の流れが自然です。
 ○文章の中心がよくしぼられています。
 △長い文と短い文が多く中間の文がやや少なめです。
 △文の長さの平均がやや長めです。
【語彙バランス】
 抽象度の高い言葉が多く、やや重い文章になっています。(-2点)
思考力 57 点
知識力 67 点
表現力 61 点
規定の字数(1200字)よりも短い文章は低めに評価されます。小論文として採点しているため語彙間のバランスも評価に入れています。

 【本文】
悲しむべきことに連日、ヨーロッパでのアジア系への差別事件が起きている。
これを見て、普段から反差別運動やポリティカルコレクトネスを懐疑的に見ている人々は、「それ見たことか!」とウキウキで「これがポリコレのある欧米の地金だ!」とここぞとばかりにその無意味さを訴えている。

はっきり言おう。
だからこそポリティカルコレクトネス、反差別運動は必要なのである。

そもそもポリコレの盛んな欧米社会でも人種差別を始めとした差別が絶えなかったことはない。COVID-19が世界中に脅威を振りまく前でも、毎日の様に差別的な言動はウイルスよりも蔓延していたのだ。

彼らが知っているかは知らないが、サッカーのニュースを追いかけるだけでも毎週のように人種差別をするサポーターのニュースと、それを処分するクラブや運営団体の話が聞こえてくる。

今回のCOVID-19によるアジア系への差別はその延長線上に過ぎない。

だが、彼らが無視している事実として、これらの差別はメディアや反差別を訴える市民によって批判されているということであり、メディアによって大きく扱われるニュースであるということだ。

差別問題として認識されていなければ、こういったものがことごとく日本にもニュースとして届くことはないだろう。

こういった事態で差別が横行するのは怒りを覚えるが、それを批判し人種差別を排斥しようとする意見をメディアや公共が発し続けることは重要である。

問題だと認識されれば、解消のための取り組みが行われるからだ。

それを地金だといって放置すれば、いかなるヘイトクライムでも「そういったものだ」と現状追認に使われ、日常の風景に追いやられてしまうだろう。

反差別への肯定を「非常事態ではなんの意味もない」と嘲笑うことは、人間の本質をよくしっている現実的態度などではない。

それは自分自身の現状追認、つまり変化を否定し社会規範の進歩をも否定する姿勢に過ぎず、愚かで卑劣な態度でしかない。恥を知るべきである。

欧米などでアジア人差別を行う人々も、日本で中国人や韓国人を差別する人も同様に愚かであり、それは批判されるべきものだ。

確かに差別は存在する。
反差別やポリティカルコレクトネスは、それがあれば差別がなくなるような魔法の呪文などではない。
それを前提として共有し、解消していくための社会規範なのである。