言葉の森新聞2017年2月2週号 通算第1454号
文責 中根克明(森川林)

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■■2月11日(土)は休み宿題(再掲)
 2月11日(土)は、祝日のためお休み宿題です。
 先生からの電話はありませんが、その週の課題を自宅で書いて提出してください。先生からの説明を聞いてから書きたいという場合は、別の日に教室までお電話をして説明をお聞きください。(平日午前9時-午後7時50分。年末は28日まで。電話0120-22-3987)
 電話の説明を聞かずに自分で作文を書く人は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考にしてください。
 課題の説明の動画「授業の渚」 http://www.mori7.com/nagisa/
 オープン教育の掲示板「森の予習室」に学年別の予習のヒントが載っています。


■■未来の作文環境は、電子出版、音声入力、立体作文
 言葉の森の講師が、電子出版に挑戦しました。
「加点がもらえる受験小論文の書き方」Kindle版(339円)
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 この本の内容は、言葉の森の中高生向けの作文指導のエッセンスです。入試で作文小論文試験がある人には、かなり役立つはずです。
 言葉の森では、今後、子供たちの文集作りに、この電子出版を生かしていきたいと思っています。
 作文の勉強の意欲付けには、未来の目標があることと、過去の蓄積があることの両方が大切です。検定試験やプレゼン作文発表会のような未来の目標があると、作文の勉強の励みになります。
 また、自分の書いたものが形として残って蓄積されていると、これもまた作文の勉強の励みになります。
 この蓄積感を持てるものの一つとして考えているのが電子出版です。
 今の電子出版は、ワードに書いた文章をそのまま出版原稿として使えるようになっています。登録の手続きなど、まだ複雑なところはありますが、将来はもっと簡単に誰でも自分の本を出せるようになります。
 日本には、万葉集の時代の昔から、庶民が日常的に詩を書いたり日記を書いたりする文化がありました。江戸時代には、手紙のやりとりもかなり頻繁に行われていました。そのため、現在でも、Twitterやfacebookやブログで、日本語の文章が流通する割合は世界的に見てもかなり多いようです。
 この電子出版に関しても、今後は日本語の占める割合が多くなるのではないかと思います。
 電子出版に合わせて作文を書くためには、毎週の清書の時間などに、作文をテキスト化しておく必要があります。
 しかし、普段の作文は、原則的に手書きです。というのは、手書きは自由度が高いので、思考を深めることに向いているからです。
 考えるときは手書きで、考えがまとまって書き上げるときはパソコンなどのテキスト入力で、という区別をしていくことが、これからの作文の書き方の基本になっていくと思います。

 手書きで考えるということを更に発展させると、手書きで構想図を書くという書き方になります。つまり、わざわざ文章化しなくても、短文を矢印でつなげるような形で書けば、短い時間で考えを深めることができるからです。
 テキスト化の方法は、現在はキーボード入力が主流ですが、将来は音声入力が普通に行われるようになってくると思います。
 音声入力を効率よく進めるためにも、文章化は、手書きの構想図とセットで考えていくようになります。
 そして、作文のもともとの目的から考えると、作文は必ずしも文章だけにこだわる必要はなく、画像や音声を入れた文章という立体的な表現が行われるようになってきます。
 これは、言葉の森がプレゼン作文発表会として行っている広義の作文の形です。
 このように、未来の作文は、大きく変化していきます。
 しかし、文章を書くことが、題材や表現や主題を創造的に表現することだという本質は変わりません。


コメントより
・これからはfacebookやブログよりも、電子出版が多く人の表現手段になるのではないかと思っています。
 そういう時代に書き手にとって必要になるのが、構想図と音声入力と、文章以外の立体的な表現手段のデザイン力で、
 読み手にとって必要になるのが、超速読になるのではないかと思います。
 又は、テレパシー力かなあ(笑)。
・江戸時代の末期に、刀とちょんまげと交通手段としての馬がなくなると考えた人はほとんどいませんでした。
 この江戸から明治への移り変わりのようなことが、これから社会のあらゆる分野で起こってきます。
 作文も例外ではありません。
 こういう変化の時代に大事なことは、本来の目的を再確認することです。


■■今度の新しい夏合宿は、自然の遊び、寺子屋学習、何日でも参加可、全員ノーパソ配布、全員キンドル配布、父母の自由参加、祖父母の自由参加で
 言葉の森のこれまでの夏合宿のテーマは、(1)自然との交流、(2)寺子屋式の学習、(3)合宿での友達との交流、でした。
 寺子屋式学習の内容は、暗唱、読書、作文などでしたが、これまでは、合宿での遊びのボリュームが多く、作文は少ししかできませんでした。
 しかし、今年から、寺子屋式勉強の内容はもっと充実させていく予定です。
 それは、合宿所が固定したものになるからです。
 勉強の内容としては、具体的には、暗唱、読書のほかに、作文・感想文、自由研究などもできるようにしていきたいと思っています。
 言葉の森の合宿では、昨年から、保護者も自由に参加できるようにしました。
 これがなかなか面白く、お父さん、お母さんと、言葉の森の講師の間でいろいろな話ができました。
 今年は、この父母の参加に加えて、祖父母も自由に参加できるようにしていきたいと思っています。
 祖父母と言っても、年齢はまだ60代や70代ですから元気いっぱいのはずです。(自分がそうなので(笑))
 夏休み、子供たちはよく田舎のおじいちゃんおばあちゃんの家に行くことが多いと思います。
 田舎はそれなりに楽しいのですが、難点は友達がいないことです。
 だから、この夏合宿に、祖父母が一緒に参加してくれれば、自然の中で、友達も父母も祖父母も含めた幅広い交流ができます。
 また、父母は父母どうし、祖父母は祖父母どうしの交流もできると思います。
 そして、祖父母の時代は、遊びの道具が今ほど豊富ではなかったので、誰もが出来合いのものでないいろいろな遊びを工夫していました。
 この夏合宿で、そういう手作りの遊びをいろいろ紹介してもらうのも楽しいと思います。
 今年からは、合宿所が固定したものになるので、何日間でも泊まれるようになります。
 基本は2泊3日ですが、それを何泊も延長することができます。父母や祖父母はその間の一部に参加ということにすれば誰もが無理なく参加できると思います。
 合宿所が固定した利点はもうひとつあります。
 それは、生徒全員にノートパソコンが用意できることです。ノートパソコンがあれば、寺子屋オンエアのような学習もその合宿所でいつでもできるようになります。
 また、全員にキンドル端末を用意すれば、合宿所で自由に本も読めるようになります。言わば図書館付きの合宿所のような感じです。
 言葉の森では、現在、寺子屋オンエアやオンエア講座をやっていますが、オンエア企画に参加する子供たちは、ネットの画面の中で結構親しくなります。
 ときどき、「○○君の読んでいた本が面白そうだったから自分も読んでみた」とか、「○○さんのやった実験に興味があったので、自分もやってみた」という声を聞きます。
 距離も離れていて、知らない子どうしが、そういう形でオンエアの企画の中で自然に友達のようになるのです。
 合宿は、初対面の子どうしでもすぐに仲よくなりますが、こういうオンエア企画の土台があれば、更に深い交流ができると思います。また、この夏合宿のあとのオンエア授業の参加も更に身が入ると思います。
 今年は、そういう新しい合宿の企画を立てていきます。


コメントより
・まだ、これから立春だというのは、もう夏休みの合宿の話です。
 今年の夏合宿は、文字どおり「自然寺子屋合宿」で、日中はたっぷり自然の中で遊び、朝と夜は寺子屋方式でしっかり勉強し、何日間でも宿泊できるという形にしたいと思っています。
 そして、新しい工夫は、お父さん、お母さんも自由に参加できるばかりでなく、おじいちゃんやおばあちゃんも自由に参加できることです。親子三世代合宿で、読書感想文を書いたり、夏休みの自由研究をしたりするのです。
・当面は夏合宿ですが、やがては土日合宿、そしてゆくゆくは平日合宿もできるようにしたいと思っています。
 ということは、ゆくゆくは宿泊型の学校になるということです。


■■作文の勉強を好きにするのも嫌いにするのも教え方次第
 小学生に楽しく作文力をつけるのは簡単です。勉強の仕方の基本をいくつか守っていけばいいのです。
 しかし、小学生を作文嫌いにするのはもっと簡単です。それは、欠点を注意していればいいだけだからです。
 小学生の書く文章で、欠点のないようなものはまずありません。また、欠点がないように見えるものでも、見つけようと思えばいくらでも欠点は見つかります。それは、作文の評価のかなりの部分が主観的に行われているからです。
 だから、「面白みがない」とか、「何が言いたいかわからない」とか、「書かれていることが表面的」とかいうような、曖昧で、どうしたらよいのかわからない評価がされることがあるのです。
 中には、通知表で、作文を書くという項目だけが低く評価されているが、その理由は、子供にも、親にも、書いた先生にもわからないというような意味のない評価もあります。
 作文力をつけるのは簡単ですが、しかし、もちろん時間はかかります。
 それは、作文というものは、その生徒の読書や対話や経験などの日本語を使う生活の集大成だからです。他の教科の勉強は、その勉強に力を入れれば、すぐに成績が上がります。しかし、作文は、力を入れてすぐに結果が出るものではないのです。
 そのかわり、楽しく作文を書くということはすぐにできるようになります。
 この楽しく書けるということが最も重要で、楽しく毎週作文を書いてさえいれば、それに伴って作文力はついてきます。
 では、楽しく書くためにはどうしたらよいかというと、まず何をどう書いたらよいのかをはっきりさせることです。この反対に自由に書かせて、あとからどこができていないなどと批評するのが最も子供のやる気を失わせる勉強の仕方です。基準をはっきりさせて、その基準に合わせて褒めるということが大事なのです。
 作文のような主観的になりやすいものだからこそ、指導も評価もできるだけ客観的にしていく必要があるのです。
 言葉の森の作文指導の特徴は、事前指導に力を入れていることです。作文を書く前の準備が充実していれば、それに応じて内容のよい作文が書けます。
 そのために、事前に課題の長文を読んだり、事前に両親に似た例を取材したりすることが重要になってきます。
 事前の長文音読は、小学校低学年のころであれば、習慣化することが容易です。朝ご飯の前に長文を音読すると決めておけば、音読の時間はわずか2、3分ですから、歯を磨いたり顔を洗ったりするのと同じ感覚で自然にできるようになります。
 しかし、これが学年が上がり、小学4、5年生になってから毎日の音読をさせるというと、かなり難しくなります。この場合は、その自習を扠せ続けるという親の強い決心が必要になります。また、音読の仕方についても決して注意をせずにいつも温かく褒めてあげるという忍耐心が必要になります。
 事前の親子の話し合いは、やはり小学校低学年のころから始めれば、家庭の習慣として定着するようになります。普通の日本の家庭では、あるテーマについて家族全員で話し合いをする機会があるというところはほとんどないと思います。だから、作文の勉強をきっかけにして、そういう親子の話し合いの文化を作っていくといいのです。
 もちろん、これはすぐにスムーズにはできません。最初のころはいろいろな試行錯誤があるはずです。しかし、小学校低学年のころから対話の習慣をつけておけば、学年が上がるにつれてその対話は更に充実したものになっていきます。
 言葉の森が、小学校低学年からの作文の勉強をすすめるのは、低学年だからこそ作文の準備となるいろいろな習慣がつきやすいからです。
 そのかわり、作文は楽しく勉強することを最優先させなければなりません。せっかく作文を書いているのだからと、間違いをきれいに書き直しさせたり、上手な表現に書き直させてコンクールに応募したりするのは、そのときは子供は素直に従っているように見えても、決して楽しい作業ではありませんから、かえって作文の勉強が長続きしなくなることも多いのです。
 書いたものはいつも褒めてあげ、その一方で事前の準備としての読書、音読、対話などに力を入れるのが、作文の勉強の基本なのです。
 ここで、蛇足のようにも思いますが、こういう作文指導を子供の勉強全体の大きな流れの中で見ていることが大事です。作文指導であれば何でもよいというのではありません。
 というのは、小学生の作文指導は、低学年のうちは誰にでもできるような気がするからです。
 言葉の森の作文指導は、小学校低学年から始めて高校生まで続ける子がよくいます。これは、一つには担当の先生からの電話指導が毎週あるからです。もう一つには高校生の大学入試小論文まで高度に指導するカリキュラムがあるからです。
 だから、小学校低学年から作文の勉強を始めるとしたら、まず言葉の森で始めていくのがいいのです。



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