作文のコツの第三は、難語を自然に書くことです。
「でも、公園にゴミ箱があると、ゴミを減らすという気持ちがなくなる」という文と、「しかし、公園にゴミ箱が設置してあると、ゴミを減らすという自覚が生まれにくくなる」という文では、どちらが知的に感じるかというと、やはり「設置」や「自覚」などの難しい言葉を使ってある文の方です。中学生で、これらの言葉を読めない人はまずいません。しかし、文章の中に自然に使える人は少ないのです。なぜ読めるのに使えないかというと、こういう言葉の入った文章を読む量が不足しているからです。
文章に使う言葉には、自分がふだん読んでいる文章の質が自ずから出てきます。中学生や高校生の文章で、話し言葉とあまり変わらない文章を書いている場合は、その人がふだんあまり本を読んでいないことを示しています。
未消化の難語を使うのはかえってマイナスですが、少し背伸びをした文章語を使うのは、いい文章を書くためのコツです。
第四は、光る表現を入れることです。
文章の結びの5行は、文章全体の印象を左右する部分です。ここに光る表現があると、全体の印象がよくなります。書くことが好きな生徒は、自然にこういうことを知っているのでしょう。結びに一工夫してまとめてある文章をときどき見ますが、例外なく上手な文章です。
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