項目の説明
構成 中心を決める
キーワード いちばん 中心 一番 <<構成>>
説明 いちばん……なのは
指導  作文の中心を決めて書く練習です。
 小学生のころは中心を決めるという意識が薄いことと、字数に気を取られることが多いことから、朝起きてから寝るまでの作文を書くような傾向があります。
 しかし、作文に取り上げた題名によっては自然に中心が決まる場合もあるので、一律に指導することが難しい面もあります。例えば、「僕のお母さん」という題名で書いた場合は、自然に中心が決まりますが、「動物園に行ったこと」という題名では、ほとんどの子が「次に○○を見て、そのあと□□を見て、そのあと……」という中心の決まらない書き方になります。
 中心を決める指導は、この、中心が分散しがちな題名のときにも意識的に中心を絞れるように普段から中心を決めるキーワードを入れていく練習です。
 低学年などで、「いちばん」という言葉を指導しにくいときは、「自分がいちばん書きたかったところを○で囲んでおいてね」と指導します。要するに、生徒に中心を決めて書くことが大切だという意識ができるように指導していきます。

 例:昨日、動物園に行きました。たくさんの動物を見た中でいちばん面白かったのはペンギンです。(以下ペンギンを中心に書く)

 例:夏休み、田舎のおばあちゃんのうちに行きました。三日間いた中でいちばん心に残ったのは、二日目の朝にスイカ割りをしたことです。(以下スイカ割りの話を中心に)

 例:私は……を読みました。この本でいちばん印象に残ったところは、うらしま太郎がカメを助けたところです。(感想文の場合はこのように中心を決めると、あとが続けやすい)

 「私のお母さん」のように既に題名の段階で中心が決まっているものについても、「いちばん好きなところは優しいことです。」のようにキーワードを入れさせるようにすると指導に一貫性が出てきます。

※順位を表わすときでない「いちばん」はひらがな書きが正しいが、グーグルでは漢字の方が主流になっているので、漢字でもよいとする。

 「いちばん……のは、……です。」という形で、作文の中心を決めて書いていく練習です。「いちばん」という言葉は、絶対に入らなければいけないというわけではなく、中心の絞られた作文になっていればよいとします。
 たとえば、遠足に行ったことについて書く場合、低学年ほど、朝のことから帰りのことまで全部書こうとするものですが、中学年になったら、「いちばん楽しかったのは、……です。」というように、一つのことに中心を決めて書くように指導します。